【メルマガ】自己肯定感を高めるにはどうすればいいですか?

2016年03月10日(木)08時42分22秒

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[Q]自己肯定感を高めるには?

 

vol.105で「別居する」という簡潔なお答えを頂けたAと申します。

 

Vol.105

http://yakan-hiko.com/BN4013

 

毎回ありがたい気持ちで拝読しております。

特に今回のvol.116は今の私に必要なお話ばかりでとても感謝しています。

 

Vol.116「トラウマもまた、私たちの心の現実である」ほか

http://yakan-hiko.com/BN4668

 

<中略>

 

前置きが長くなってしまいましたが以下から質問です。

 

歌手デビューおめでとうございます。いつまでも夢を追い続けるって素敵ですね。お陰様で私も瞑想とストレッチを始めて、一周年を迎えることができました。名越先生の教えがなければ実現不可能な話です。ありがとうございます。

 

私は所謂「自己肯定感」が低く、カウンセリングを受けています。カウンセリングの先生からは自分の中の子供の自分と仲直りするため、毎日話しかけるように指導されています。

始めて数ヶ月経ちますが、未だに子供の自分がそっぽを向いていて上手くいっていない感じです。

 

名越先生でしたら「自己肯定感」を高めるために何をすれば良いとアドバイスなさいますか?

 

 

[A]自我を緩めて、「機能としての自分」を感じるということ

 

ご感想とご質問、ありがとうございます。

 

さて、ご質問の自己肯定感については、いま専門家のカウンセリングを受けておられるということですので、少なくともカウンセラーの方との信頼関係がしっかりとしているのであれば、そのまま続けていただいたほうが良いかと思います。

 

そのうえで、私から付け加えることがあるとすれば、西洋心理学的なカウンセリングと並行して、東洋心理学的なアプローチを取り入れてみる、ということです。

 

まず「自己肯定感」という概念はそもそも、西洋心理学的な枠組みのものである、ということを理解しておく必要があります。それはつまり、「自我を確固たるものとして確立する」ということを、暗黙の前提にしたものだということです。「自己」を「肯定する」という言葉には、そういうニュアンスというか、価値観が予め含まれているわけですね。

 

一方、仏教心理学などの東洋的なアプローチでは、自我を縮小し、緩めていくことによって、心から「重さ」を取り払っていく、という考え方です。ここだけみると、西洋心理学とは真逆のことを言っているように聞こえますが、それは……

 

 

<この続きは名越康文メールマガジン「生きるための対話」2016年3月7日号(Vol.119)をご購読ください>

 

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2016年3月7日 Vol.119

<名越式性格分類ゼミ認定制度開始/自己肯定感を高めるには?/人はなぜ「モテたい」のか/テレビとインターネットの未来像を心理学的に考察する/ヴィパッサナー瞑想が目指す境地とは/ほか>

 

目次

00【ご案内】名越式性格分類ゼミ認定制度の開始と第1回認定試験のご案内

01カウンセリングルーム Pick Up!

[Q] 自己肯定感を高めるには?

02【コラム】人はなぜ「モテたい」のか

03【近況】テレビとインターネットの未来像を心理学的に考察する

04精神科医の備忘録 Key of Life

・情緒に「普遍性への回廊」はあるか

05塾通信(特別編)欠落こそが人間の可能性(2) ヴィパッサナー瞑想が目指す境地とは

06講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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【メルマガ】「世の中が間違っている!」と感じたら

2016年02月17日(水)11時04分09秒

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世の中に対して「何かが間違っている」という怒りを覚えたり、自分の力でそれを「少しでも良くしたい」と考えたりする。そのこと自体は、決して間違ってはいません。しかし、「良くしたい」と思うことと、「良くなる」ことの間には、たいへんな距離があるという現実を、私たちはついつい忘れてしまいます。ここに大きな罠があります。

 

一度でも「自分を変えよう」という努力をしたことがある人なら、「変わる」ということがいかに大変かを知っているでしょう。しかし、そういう「変わらない」個人が集まった社会を「良くする」ということの途方も無い大変さについては、なかなか想像が及びません。わたしたちは。自分自身の心がすぐに変わらないことを棚に上げながら、ついつい、社会を「すぐに」変えようと考えるのです。

 

その結果、「変わらない」ことへの苛立ちや怒りが、自分以外の他者へと向かうことになります。その先に待っているのは、他者に対する非難や批判で一生を埋め尽くす人生だけです。

 

ですから、もしもあなたが万が一「社会を良くしたい」という思いを抱いてしまったなら、少なくとも「一万年かけて良くしよう」というぐらいの気概が必要だと私は考えます。その上で、今日一日、自分自身が集中して物事に取り組めているかということだけを問うようにする。

 

仮に社会が「良くなる」ということがありうるとしたら、そういう静かな取り組みをする個人が一人、また一人と現れていく、その延長線上にほのかに芽生える希望にかけるしかない。わたしはそう考えます。

 

人間の精神は、控えめに見ても90パーセントは現実ではなく、妄想によって支配されています。ですから、その妄想を自己から切り離す作業こそが、精神生活における最低限のノルマです。それは、自分の中に分単位で雑草のように自生して来る漠然とした不快感を、その都度、刈り取ることです。

 

これは、あまり多くの人が口にしないことですが、生きるための大切なノウハウでもあります。自己責任とか、自分のことは自分でやりなさい、ということを言う人は多いけれど「自分の心の始末を自分でつけよ」ということはあまり言われない。でもこのことは、どれほどの成功者であっても、人生のどん底に沈んでいる人でも同じです。自分の心を静めることは、自分にしかできない。(なんという平等性!)

 

「社会を良くする」道もまた、ここにしか開く可能性はありません。曲がりなりにも、自分の心を整えることに取り組んでいる人には必ず、ふとした拍子に世界がささやいてきます。

 

「いまだに君はこの世界の美しさに気づいていない、このままでやり過ごしていいのかい?」

 

と。

 

「世の中が間違っている!」と感じたら、自分の心に目を向ける。そのことを忘れないでください。

 

 

<この続きは名越康文メールマガジン「生きるための対話」2016年2月15日号(Vol.118)をご購読ください>

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2016年2月15日 Vol.118

<「世の中が間違っている!」と感じたら/ストレスとの付き合いかた/山田洋次監督と対談!/塾通信(特別編)欠落こそが人間の可能性(1)空海が私たちに伝えたかったこと/ほか>

 

目次

00【イントロダクション】「世の中が間違っている!」と感じたら

01【コラム】ストレスとの付き合いかた

02精神科医の備忘録 Key of Life ・山田洋次監督と対談!

03塾通信(特別編)欠落こそが人間の可能性(1)空海が私たちに伝えたかったこと

04カウンセリングルーム

[Q]「誘惑を軸とした人生」とは?

05講座情報・メディア出演予定

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【コラム】分析から解体へ

2016年02月06日(土)12時18分35秒

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分析の限界

 

僕たちは「分析すること」に疲れつつあるのではないか。

そういうことを、最近感じています。

 

手前味噌かもしれませんが、10年ほど前「グータン」という番組の中で僕が「分析」という言葉を使っていた当時、まだこの「分析」という言葉は、世間ではさほど一般的ではなかった気がします。しかし今や、さまざまな場面で「分析」という言葉を見かけるようになりました。

 

分析というのは、平たくいえば「構造や仕組みを明らかにする」ということです。何か事件が起きたら、事件の原因を分析する。あるいは、人間関係の問題を抱えた人がカウンセラーの元を訪れたとしたら、そこに至るまでの経緯や心理を分析する。これらはもちろん大事な営みです。わからないものがあれば、分析し、納得する解釈を見出す。それは人が生きていく上では必要なことです。

 

しかし、あまりに分析に没頭すると、人というのはだんだんと「虚無」に苛まれるようになります。それは……

 

<この続きは名越康文メールマガジン「生きるための対話」2016年2月1日号(Vol.117)をご購読ください>

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2016年2月1日 Vol.117

<軽井沢のバス事故と尾木直樹先生/分析から解体へ/個性はエゴの向こう側に立ち上がる/緊張とこわばりは「自分」を知るマスターキー/ほか>

 

目次

01【近況】軽井沢のバス事故と尾木直樹先生

02【コラム】分析から解体へ

03精神科医の備忘録 Key of Life

・個性はエゴの向こう側に立ち上がる

04カウンセリングルーム(今週はお休みです)

05読むこころカフェ(40)

・緊張とこわばりは「自分」を知るマスターキー

0 6講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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【メルマガ】トラウマもまた、私たちの心の現実である

2016年01月19日(火)03時12分11秒

 

人間の意識の可能性は無限といっていいぐらい広大です。だからこそ、意識は近視眼的にならず、できるだけ遠くへと、しかも妄想に陥らずに広げ続けることができるかが問題となるのです。

 

私たちは拳を握ることもできれば、それを緩めることもできます。しかし、私たちはしばしば、トラウマ故に、握った拳を開くことができなくなってしまいます。このとき重要なのは、トラウマもまた現実の一部であるということを認めるということ。そこからしか、トラウマからの回復はおぼつきません。

 

なぜなら、トラウマというのは常に、短絡的な感情反応を助長し、冷静な思考を阻害し続けるものだからです。逆に言えば、多くの人は主観的には「考えている」つもりであっても、「感情的になっている」だけであることが少なくない。その厳粛なる事実に、瞬間ごとに気づき続けることができるかどうか。問題はそこなのです。

 

多くの人が感情的であることは、感情的になっていい理由にはなりません。もちろん、感情的になっていいと考える人に、無理強いはいたしません。しかし、マジョリティが正しいわけではない、ということは繰り返し、言っておく必要があります。感情の坩堝の只中にありながらも微笑し、「個」として明日を目指し続けることこそが、私たちに課せられたテーマである。僕はそう考えているのです。

 

 

<ご案内>名越式性格分類ゼミ(通信講座版)第4期会員募集中!

 

すでにご案内中の「名越式性格分類ゼミ(通信講座版)」第4期会員ですが、あと数名で締め切りとなります。第5期の募集人数・時期については未定ですので、ご興味のある方はお急ぎください。

 

<<<お申し込み・詳細は下記リンク先より>>>

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名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2016年1月18日 Vol.116

<トラウマもまた、私たちの心の現実である/容姿の劣等感との付き合い方/瞑想を日常化するコツ/話していて飽きがこない人/整理する脳、カオスを呼び込む身体>

 

目次

00【イントロダクション】トラウマもまた、私たちの心の現実である

01カウンセリングルーム Pick Up!

[Q1] 容姿の劣等感との付き合い方

02【コラム】瞑想を日常化するコツ

03精神科医の備忘録 Key of Life

・話していて飽きがこない人

04読むこころカフェ(39)

・整理する脳、カオスを呼び込む身体

05講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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【メルマガ・年頭のご挨拶】本当の知恵は「タイミングが合う」ことから

2016年01月04日(月)01時00分55秒

 

皆さん、あけまして

おめでとうございます!

 

皆様にとって

素晴らしい一年になりますよう

お祈り申し上げます。

 

2

 

名越式性格分類ゼミ(通信講座版)のノベルティノート。

 

 

 

さて先日、ツイッターに、「知恵とはタイミングが合いはじめるということ」と書きました。

 

近年、あらゆることが機械やコンピューターによって代替されるようになっていくようになる中で、人間が担うべき役割は何か、ということが非常に重要なテーマとなりつつあると僕は考えています。それは言い換えれば機械では担えない、人間だけの「知恵」とは何か、という問いとどう向き合っていくか、ということです。

 

例えば「認識」というものの多くは既に、コンピューターによってデータ化され、整理・体系化されるようになっているようです。空間認識とか、質感の認識とか、少し前だとデータ化するには途方もない手間がかかっていたアナログな認識が、最近では当たり前のように、コンピューターが取り扱うようになっている。その結果として、以前であれば人間にしかできなかったような分野が、どんどん機械に取って代わられるようになっています。

 

では、機械ではなく、人間にしか担えない「知恵」とは何なのか。「タイミングが合う」というのは、この問題を考える上で、重要な切り口となると僕は考えています。というのも「タイミングが合う」ということは、いまのところ科学的に取り扱うことができないものだからです。

 

私たちの日常感覚においては間違いなく、「タイミングが合う」という現象は起きています。しかし、どれほど精密なコンピューターであっても、「タイミングが合う」という現象を再現することは、非常に難しい。

 

もちろん、単に「時間と空間がピッタリと一致する」ということであれば、コンピューターのデータ処理でも、実現することはできるでしょう。しかし、私たちが認識している「タイミングが合う」ということは、必ずしも「時間と空間がピッタリと一致する」ことだけではありません。例えば「時間と空間が絶妙にズレる」ことを「タイミングが合う」と表現することだってあるのです。

 

僕はこの「タイミングが合う」ということに、知恵の本質を感じます。カウンセリングでいえば、何気ないこちらの一言で、相手が何か、人生の重大な気づきを得ることがある。それは、その「一言」の意味内容が素晴らしいからではありません。一回限りの時間、空間のズレ。声色や表情、流れといったものすべてによってもたらされる劇的な変化というものがある。これを私たちは「知恵」と呼ぶのだと思うのです。

 

逆に言えば、「タイミングが合う」という要素を持たない知恵というのは、本当の知恵ではない、といってもいいと僕は考えています。タイミングは決して科学することができない。科学の対象でないということは、再現できないし、検証できない、ということです。もちろん、後から理由付けすることはできるけれど、それは文字通りの「後知恵」でしかない。知恵を科学的に制御したり、科学的に知恵を引き出す、ということはできないのです。

 

瞑想や行を重ねていると、だんだんと「タイミングが合う」ということが起きやすくなってきます。これは、知恵の発露において、一番わかりやすいものの一つです。もちろんこれを意識的にコントロールするというのはなかなか難しいのですが、段々と「ああ、これが『知恵』なのかもしれない」という実感が湧いてくるのです。

 

皆さんもぜひ、身の回りで起きることを「タイミングが合っているかどうか」という視点で見直してみてください。そこにこそ、大いなる知恵のヒントが転がっているように思います。

 

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2016年1月4日 Vol.115

<本当の知恵は「タイミングが合う」ことから/「夢の心理学」についての名越先生の見解を聞かせてください/グループ型アイドルという「型」の力/USJの「Re-born(リ・ボーン)」に込めた思い/なぜ今、性格分類なのか/緊張の奥底に眠る「身体的記憶」ほか>

目次

00【イントロダクション】本当の知恵は「タイミングが合う」ことから

01【カウンセリングルーム】Pick Up!

[Q1] 「夢の心理学」についての名越先生の見解を聞かせてください

02【近況】twitterのアンケート機能を使ってみた/グループ型アイドルという「型」の力/USJの「Re-born(リ・ボーン)」に込めた思い

03【コラム】なぜ今、性格分類なのか

04精神科医の備忘録 Key of Life

・悪のごとき善であれ

05読むこころカフェ(38)

・緊張の奥底に眠る「身体的記憶」

06講座情報・メディア出演予定

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【メルマガ】言葉が持つ2つの意味に目を向ける

2015年12月26日(土)12時28分56秒

 

多くの言葉は、常に2つの意味をはらんでいます。

 

例えば「喜びのために生きる」といっても、「人が喜ぶことをする」のと「人の喜ぶことをする自分を求める」のとでは、まったく違います。あるいは「ピュア」ということにも2種類があるといえるでしょう。強すぎる妄想のためにピュアに見える人と、感覚が尖すぎるためにピュアになっている人は、まったく別種の人間なのです。

 

あるいは「興味」にも2種類があるように思います。満たされれば冷める興味と、汲めども尽きぬ興味です。そして、後者の興味の中でのみ、時折、時間を超越するような感覚が起きるのです。

 

汲めども尽きぬ興味は、それが有り得ると可能性を信じられた日から、その到来の扉が開かれるのです。

<名越康文メールマガジン2016年12月21日号「精神科医の備忘録 Key of Life」より。

 

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年12月21日 Vol.114

<ちょっと変わったクリスマスの過ごし方/なぜ空海は真言宗と名付けたのか/才能とは、強靭で極めて薄い膜のようなものだ/「つられ笑い」は心身の健やかさの指標!?/何はなくとも、まずは身体を動かすことからほか>

目次

00【イントロダクション】ちょっと変わったクリスマスの過ごし方

01【近況】なぜ空海は真言宗と名付けたのか 改めて「声」の力について考える

02精神科医の備忘録 Key of Life

・才能とは、強靭で極めて薄い膜のようなものだ

03【コラム】「つられ笑い」は心身の健やかさの指標!?

04カウンセリングルーム<今週はお休みです>

05読むこころカフェ(37)

・何はなくとも、まずは身体を動かすことから

06講座情報・メディア出演予定

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人生の分水嶺は「瞬間」に宿る

2015年12月11日(金)06時00分11秒

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先日歌手デビューを果たした銀座「Lounge ZERO」

 

 瞬間ごとに判断している

 

想像してください。

 

あなたはいま、片道2車線の道路で車を運転しています。速度は時速50km。前方やバックミラーには他の車も見えますが、道はさほど混んでいるわけではなく、順調に流れています。

 

やがて、あなたの視界に交差点が見えてきます。右折するのであれば、少し早めに車線変更して、右レーンに入っておく必要があるでしょう。あるいは、左折するのであれば車線変更の必要はありませんが、やはり早めにアクセルを緩め、ウインカーを出して、準備をしなければいけないでしょう。

 

そのまま直進しますか? もしそうなら、準備は必要ないかもしれませんね。でもその場合も、自分の前を走る車の動きやウインカーなどに注意しておかないと、思わぬ事故を起こしてしまうかもしれません。

 

自動車の運転を安全に行うには、こうした無意識の判断を繰り返し、繰り返し行う必要があります。しかも、そこには時間的猶予はほとんどといっていいぐらい、ありません。求められるのは、ほとんど意識することさえ困難なぐらいの、瞬間的な判断です。判断を求められる瞬間は、次々にやってきます。そしてある瞬間、もしあなたが正しい判断ができなかったとすれば、その車は事故を起こしたり、思わぬ回り道をしてしまい、目的地に辿り着けなくなってしまうことになってしまうでしょう。

 

僕たちの心も、この自動車の運転と同じです。日常というのは、文字通り「瞬間ごとの判断と選択」によって紡がれています。何気ない会話の中で、相手の言葉に一瞬カチンと来る。その瞬間に、「なんでそんな言い方するの?」と聞き咎めるのか、腹は立つけれどその気持ちを押さえ込んでしまうのか、あるいは全く違う対処を見出すのか。そういったことを判断し、行動に移す。そのために与えられた時間は長くて数秒です。

 

そう。私たちは日々、瞬間ごとに、交差点を前にした自動車の運転手と同じような判断と行動を求められているのです。

 

 

人生は瞬間に支配されている

 

しかも、重要なことは、この「瞬間の判断」に、その後の人生が大きく左右されることがある、ということです。右の道を選ぶか、左の道を選ぶか、あるいはそのまま直進するかといったあなたの選択は「いま、目の前で起きている問題」だけではなく、その後長く続いていくあなたの人生全体を左右する、重要な決断かもしれないのです。

 

私たちが「瞬間の判断と行動」によって得るもの、あるいは失うものというのは、あなたの人生の「流れ」そのものといっても過言ではありません。ある瞬間に右の道を選ぶか、左の道を選ぶか、あるいは直進するか。それによって、あなたの人間的成長は大きく左右される。

 

あなたの人生の運の流れ、力の流れは、文字通り「瞬間」に支配されているのです。一見些細なやりとりにすぎない瞬間にこそ、人生を変える力が宿っている。すべてはいま、この一瞬に決まっているかもしれないのです。

 

僕が、皆さんにお伝えする心理学をできるかぎりマニュアル的なものから遠ざけようとするのは、このためです。実際問題、「目の前の相手との人間関係」をなんとかしようとするだけなら、マニュアル的な対応を学んでいくことで改善できることも少なくありません。

 

もちろん、対人関係においても「たったひとつのミスで破綻してしまう」こともあります。しかし一般的には、そこまでの厳しさが求められる対人関係というのは例外的です。私たちは互いに未熟であり、互いのミスを許しあうことによって、対人関係の絆をつむいでいるのですから。

 

しかしながら、あなたの人生全体に目を向けるのであれば、ある「瞬間」にあなたがどう行動するかということは、極めて大きな意味を持っていることが少なくありません。「覆水盆に返らず」という言葉がありますが、ある瞬間を逃すと取り返しのつかないことというのが、人生にはある。

 

誤解を恐れずにいえば、私たちが過ごす日常の「瞬間」には、人生がなぜかうまくいく人と、なぜかうまくいかない人を分ける分水嶺があるのです。

 

もしそうだとすれば。

 

私たちはどのように、そうした「人生の決定的な瞬間」に向き合っていけばいいのでしょうか? 僕が、僕の心理学の中で追求していきたいのは、まさにそのことなのです。

 

 

 

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年12月7日 Vol.113<人生の分水嶺は「瞬間」に宿る/natural fool な人々との素敵な出会い! 11.29銀座「LOUNGE ZERO」歌手デビュー報告/競争から誘惑へほか>目次

00【イントロダクション】人生の分水嶺は「瞬間」に宿る

01【近況】natural fool な人々との素敵な出会い! 11.29銀座「LOUNGE ZERO」歌手デビュー報告

02【コラム】競争から誘惑へ

03カウンセリングルーム<今週はお休みです>

04精神科医の備忘録 Key of Life

・批判をしても相手は決して変わらない

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【メルマガ】思考や論理と同じぐらいに、その人の気質を見よう

2015年11月16日(月)04時00分26秒

1

「現実を直視しろ」

 

人は意外と安易に、そう言います。

 

そしてこの言葉は、多くの場面で相手の意見を封殺する、ある種の殺し文句として機能しています。しかしそもそも、個人にとっての「現実」とは何でしょうか。これはそう一筋縄にはいかないテーマではないでしょうか。

 

もしも人が同じように感じ、同じように考える生き物であるなら、「現実を直視しろ」という言葉は有効です。しかし、ある気質(身体の感受性)を持つ人にとっての現実が、別の気質を持つ人にとっては現実的ではない理想論か、下手をすると夢想としか感じ取れないことが少なくないことを、私たちは知っています。(少なくとも、このメルマガを読まれている読者の皆さんにとっては、共通認識となりつつあるでしょう)

 

そのような複数の「現実」の中で生きる私たちにとって、「現実を直視する」とはどういうことなのか? 体癖論を学ぶことは、この難問に取り組む上で、大きな手がかりとなります。

 

思想や知識を見ているだけでは、私たちは異なる意見に耳を傾けることができません。異なる意見が生じるのは、気質によってまったく異なる「現実」があるからです。思想や論理について考えるのと同じぐらい、相手の気質を見るということ。

 

もし、本当の意味で生産的な議論をしたいと思うなら、そのことは必須だと思うのです。

 

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2015年11月16日 Vol.112<思考や論理と同じぐらいに、その人の気質を見よう/寂しさとともにある幸せの中で、人は成長する/緊張をほぐす3つのステップ/表参道にて『キングダム』の戦禍に酔う心/身体から「倫理」と「道徳」の違いを考える/ほか>目次

00【イントロダクション】思考や論理と同じぐらいに、その人の気質を見よう

01【近況】寂しさとともにある幸せの中で、人は成長する

02【コラム】緊張をほぐす3つのステップ

03精神科医の備忘録 Key of Life

・表参道にて『キングダム』の戦禍に酔う心

04カウンセリングルーム<今週はお休みです>

05読むこころカフェ(36)

・身体から「倫理」と「道徳」の違いを考える

06講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

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【メルマガ】思想という舞台と、本当の智恵について

2015年11月03日(火)10時24分29秒

「自分が知らないことを知ろうとすること」

それこそが「学び」であるということについては、おそらくすべての人が同意されることでしょう。

しかしながら、不可解なものを知ろうとすることと、既に知っていることを再確認しようとすることを、当の本人が峻別することは、実は非常に困難です。本当に慎重に物事を進めているときをのぞいて、私たちの思考というものは、ほとんどの例外なく、自己承認に向かうのです。

だから、完成度の高い思想というのは、概ね「よくできた舞台」の様相を呈します。クリアカットで完成度の高い思想の「見事さ」というのは、(現実をよく説明しているからというよりはむしろ)その「舞台性」のうちに宿っているのです。

それはそれで、無意味なものとは言いません。しかしそれは、本当の智恵ではないのです。「智恵」というものがあくまでも現実と対人関係の渦の中で試されるものである限り、それはむしろ、智慧とは真逆の存在といっていいでしょう。

本当の智恵とは「まだ居ぬ地点から振り返ること」に宿るのであり、そのリアルさの深度こそが、智恵の深さを表すのだと思います。

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年11月2日 Vol.111<思想という舞台と、本当の智恵/特別対談:甲野善紀×名越康文第3回(最終回) 共同幻想の向こう側へ/9種体癖の執着心と体癖診断のコツ/ほか>目次

00【イントロダクション】思想という舞台と、本当の智恵について
01特別対談:甲野善紀×名越康文
第3回(最終回) 共同幻想の向こう側へ
02精神科医の備忘録 Key of Life
・旅の終わりに思うこと
03カウンセリングルーム(今週はおやすみです)
04塾通信(58)9種体癖の執着心と体癖診断のコツ
05講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】

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<お勧め講座>

(1)名越康文ライブ☆ DIZZY NIGHT 2015
Talk & Sing♪ & Party

人間の深奥を探求しつづける精神科医名越康文が自らの内奥を凝視め、
底にひそむ光る石を拾い上げ、自らを身体に委ねるとき、言葉と歌がほとばしりでる!

日時:2015年 11月29日(日) Start:17:00(Open:16:30)
会場:GINZA lounge ZERO
DIZZY NIGHT は、3部構成のライブ・バー形式(着席/ドリンク・料理付)です。
17:00 1st Stage:講演と対談のトークライブ
・講演「(準備中)」名越康文
・対談「生きている不思議/言葉と身体」ゲスト:覚 和歌子(詩人)

18:00 2nd Stage:ブルージィなJazzライブ
Nakoshi Yasufumi LIVE2015 DIZZY NIGHT
名越康文(vo)、東京ローカル・ホンク(g,b,dr,cho)、池田みどり(p) &サプライズα

19:00 Party: 打ち上げ&ひとあし早い忘年会

申し込み・問い合わせ
http://dizzynight-ktbkbt.peatix.com

 

(2)【残席わずか 早割は11月5日まで!】 名越式性格分類ゼミ(第27回)
日時:11月22日(日)13:30~16:00
場所:アープカレッジ巣鴨(東京・JR「巣鴨」駅徒歩2分)

名越式性格分類を学ぶ少人数ゼミ。これまで、1回ごとに1つの体癖を解説してきた当ゼミですが、前回から新たなフェイズに突入! 心理学、仏教、身体論など、さまざまな角度から、性格分類の世界を多角的に掘り下げていきます。これまで、どこの講座でも踏み込んでいない、最新・最深の名越心理学講義。

詳細は「名越式性格分類ゼミ」ウェブサイトをご覧ください。
http://nakoshisemi.yakan-hiko.com/
※メルマガ購読者割引あり
※定員に達し次第締め切り

【メルマガ】時の流れを泳ぐために、私たちは意識を手に入れた

2015年10月19日(月)04時35分57秒

時間というのは、いわば水の流れのようなものです。人間は、空間の中だけではなく、時間の中に住むようになった生き物だということができるでしょう。魚が水の中で泳ぐためにヒレを獲得したように、私たちは時間の波を泳ぐために、意識を獲得したのです。ですから、意識を曇らせることは、時空の中で溺れているということだといってもいいぐらいです。

神像や仏像の目は、対象に結ばれてはいないように見えます。それは、永遠に続く時の流れの中の一コマをどう生きるかという問いを、絶えず人に想起させる慈悲深い装置なのではないでしょうか。

さぁ、今日も空気の中を意識がうまく泳げますように。

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年10月 19日 Vol.110 目次

00【イントロダクション】名越式性格分類ゼミのこれから
01【近況】読者からの感想、戦後の匂い、内向きの攻撃性について
02【コラム】継続力を高める方法—飽き性のあなたが何かを長く続けるためにできること
03精神科医の備忘録 Key of Life
・コーヒーとカレー
04カウンセリングルーム
[Q1] 「償い」について
05特別対談:甲野善紀×名越康文
第2回 努力するいやらしさ、努力しないズルさ
06講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】

 

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名越式性格分類ゼミ10月告知動画

熱く語ってるなー名越。これシューイチ終わったあとですぐ撮ったんですけどね。

巣鴨で月1開催している、名越式性格分類ゼミ。これまでは月1回、ひとつの体癖を取り上げる、ということをやっていたんですが、10月18日のゼミからは、しばらく『体癖以前 日本人の精神性』というテーマを取り上げたいと思っています。

なぜ、日本人の精神性を考えることが、性格分類につながるのか? ということを上の動画で語っているわけですが、その「中身」については、10月以降、ゼミにお越しいただいた皆さんからの質問も交えながら、どんどん展開していく予定です。よろしければぜひ、ご参加ください。

名越式性格分類ゼミ@巣鴨
http://nakoshisemi.yakan-hiko.com/

地方にいて、ゼミに出席できない、という方には、通信講座版もあります。こちらは月に1回、DVDで講義を見ることができる、というものです。運営上、会員募集は数ヶ月に一回しかできないそうですので、ご興味のある方はぜひどうぞ!

名越式性格分類ゼミ(通信講座版)第3期会員募集中
https://yakan-hiko.com/meeting/nakoshi.html/