【メルマガ・年頭のご挨拶】本当の知恵は「タイミングが合う」ことから

2016年01月04日(月)01時00分55秒

 

皆さん、あけまして

おめでとうございます!

 

皆様にとって

素晴らしい一年になりますよう

お祈り申し上げます。

 

2

 

名越式性格分類ゼミ(通信講座版)のノベルティノート。

 

 

 

さて先日、ツイッターに、「知恵とはタイミングが合いはじめるということ」と書きました。

 

近年、あらゆることが機械やコンピューターによって代替されるようになっていくようになる中で、人間が担うべき役割は何か、ということが非常に重要なテーマとなりつつあると僕は考えています。それは言い換えれば機械では担えない、人間だけの「知恵」とは何か、という問いとどう向き合っていくか、ということです。

 

例えば「認識」というものの多くは既に、コンピューターによってデータ化され、整理・体系化されるようになっているようです。空間認識とか、質感の認識とか、少し前だとデータ化するには途方もない手間がかかっていたアナログな認識が、最近では当たり前のように、コンピューターが取り扱うようになっている。その結果として、以前であれば人間にしかできなかったような分野が、どんどん機械に取って代わられるようになっています。

 

では、機械ではなく、人間にしか担えない「知恵」とは何なのか。「タイミングが合う」というのは、この問題を考える上で、重要な切り口となると僕は考えています。というのも「タイミングが合う」ということは、いまのところ科学的に取り扱うことができないものだからです。

 

私たちの日常感覚においては間違いなく、「タイミングが合う」という現象は起きています。しかし、どれほど精密なコンピューターであっても、「タイミングが合う」という現象を再現することは、非常に難しい。

 

もちろん、単に「時間と空間がピッタリと一致する」ということであれば、コンピューターのデータ処理でも、実現することはできるでしょう。しかし、私たちが認識している「タイミングが合う」ということは、必ずしも「時間と空間がピッタリと一致する」ことだけではありません。例えば「時間と空間が絶妙にズレる」ことを「タイミングが合う」と表現することだってあるのです。

 

僕はこの「タイミングが合う」ということに、知恵の本質を感じます。カウンセリングでいえば、何気ないこちらの一言で、相手が何か、人生の重大な気づきを得ることがある。それは、その「一言」の意味内容が素晴らしいからではありません。一回限りの時間、空間のズレ。声色や表情、流れといったものすべてによってもたらされる劇的な変化というものがある。これを私たちは「知恵」と呼ぶのだと思うのです。

 

逆に言えば、「タイミングが合う」という要素を持たない知恵というのは、本当の知恵ではない、といってもいいと僕は考えています。タイミングは決して科学することができない。科学の対象でないということは、再現できないし、検証できない、ということです。もちろん、後から理由付けすることはできるけれど、それは文字通りの「後知恵」でしかない。知恵を科学的に制御したり、科学的に知恵を引き出す、ということはできないのです。

 

瞑想や行を重ねていると、だんだんと「タイミングが合う」ということが起きやすくなってきます。これは、知恵の発露において、一番わかりやすいものの一つです。もちろんこれを意識的にコントロールするというのはなかなか難しいのですが、段々と「ああ、これが『知恵』なのかもしれない」という実感が湧いてくるのです。

 

皆さんもぜひ、身の回りで起きることを「タイミングが合っているかどうか」という視点で見直してみてください。そこにこそ、大いなる知恵のヒントが転がっているように思います。

 

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2016年1月4日 Vol.115

<本当の知恵は「タイミングが合う」ことから/「夢の心理学」についての名越先生の見解を聞かせてください/グループ型アイドルという「型」の力/USJの「Re-born(リ・ボーン)」に込めた思い/なぜ今、性格分類なのか/緊張の奥底に眠る「身体的記憶」ほか>

目次

00【イントロダクション】本当の知恵は「タイミングが合う」ことから

01【カウンセリングルーム】Pick Up!

[Q1] 「夢の心理学」についての名越先生の見解を聞かせてください

02【近況】twitterのアンケート機能を使ってみた/グループ型アイドルという「型」の力/USJの「Re-born(リ・ボーン)」に込めた思い

03【コラム】なぜ今、性格分類なのか

04精神科医の備忘録 Key of Life

・悪のごとき善であれ

05読むこころカフェ(38)

・緊張の奥底に眠る「身体的記憶」

06講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

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【メルマガ】言葉が持つ2つの意味に目を向ける

2015年12月26日(土)12時28分56秒

 

多くの言葉は、常に2つの意味をはらんでいます。

 

例えば「喜びのために生きる」といっても、「人が喜ぶことをする」のと「人の喜ぶことをする自分を求める」のとでは、まったく違います。あるいは「ピュア」ということにも2種類があるといえるでしょう。強すぎる妄想のためにピュアに見える人と、感覚が尖すぎるためにピュアになっている人は、まったく別種の人間なのです。

 

あるいは「興味」にも2種類があるように思います。満たされれば冷める興味と、汲めども尽きぬ興味です。そして、後者の興味の中でのみ、時折、時間を超越するような感覚が起きるのです。

 

汲めども尽きぬ興味は、それが有り得ると可能性を信じられた日から、その到来の扉が開かれるのです。

<名越康文メールマガジン2016年12月21日号「精神科医の備忘録 Key of Life」より。

 

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年12月21日 Vol.114

<ちょっと変わったクリスマスの過ごし方/なぜ空海は真言宗と名付けたのか/才能とは、強靭で極めて薄い膜のようなものだ/「つられ笑い」は心身の健やかさの指標!?/何はなくとも、まずは身体を動かすことからほか>

目次

00【イントロダクション】ちょっと変わったクリスマスの過ごし方

01【近況】なぜ空海は真言宗と名付けたのか 改めて「声」の力について考える

02精神科医の備忘録 Key of Life

・才能とは、強靭で極めて薄い膜のようなものだ

03【コラム】「つられ笑い」は心身の健やかさの指標!?

04カウンセリングルーム<今週はお休みです>

05読むこころカフェ(37)

・何はなくとも、まずは身体を動かすことから

06講座情報・メディア出演予定

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人生の分水嶺は「瞬間」に宿る

2015年12月11日(金)06時00分11秒

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先日歌手デビューを果たした銀座「Lounge ZERO」

 

 瞬間ごとに判断している

 

想像してください。

 

あなたはいま、片道2車線の道路で車を運転しています。速度は時速50km。前方やバックミラーには他の車も見えますが、道はさほど混んでいるわけではなく、順調に流れています。

 

やがて、あなたの視界に交差点が見えてきます。右折するのであれば、少し早めに車線変更して、右レーンに入っておく必要があるでしょう。あるいは、左折するのであれば車線変更の必要はありませんが、やはり早めにアクセルを緩め、ウインカーを出して、準備をしなければいけないでしょう。

 

そのまま直進しますか? もしそうなら、準備は必要ないかもしれませんね。でもその場合も、自分の前を走る車の動きやウインカーなどに注意しておかないと、思わぬ事故を起こしてしまうかもしれません。

 

自動車の運転を安全に行うには、こうした無意識の判断を繰り返し、繰り返し行う必要があります。しかも、そこには時間的猶予はほとんどといっていいぐらい、ありません。求められるのは、ほとんど意識することさえ困難なぐらいの、瞬間的な判断です。判断を求められる瞬間は、次々にやってきます。そしてある瞬間、もしあなたが正しい判断ができなかったとすれば、その車は事故を起こしたり、思わぬ回り道をしてしまい、目的地に辿り着けなくなってしまうことになってしまうでしょう。

 

僕たちの心も、この自動車の運転と同じです。日常というのは、文字通り「瞬間ごとの判断と選択」によって紡がれています。何気ない会話の中で、相手の言葉に一瞬カチンと来る。その瞬間に、「なんでそんな言い方するの?」と聞き咎めるのか、腹は立つけれどその気持ちを押さえ込んでしまうのか、あるいは全く違う対処を見出すのか。そういったことを判断し、行動に移す。そのために与えられた時間は長くて数秒です。

 

そう。私たちは日々、瞬間ごとに、交差点を前にした自動車の運転手と同じような判断と行動を求められているのです。

 

 

人生は瞬間に支配されている

 

しかも、重要なことは、この「瞬間の判断」に、その後の人生が大きく左右されることがある、ということです。右の道を選ぶか、左の道を選ぶか、あるいはそのまま直進するかといったあなたの選択は「いま、目の前で起きている問題」だけではなく、その後長く続いていくあなたの人生全体を左右する、重要な決断かもしれないのです。

 

私たちが「瞬間の判断と行動」によって得るもの、あるいは失うものというのは、あなたの人生の「流れ」そのものといっても過言ではありません。ある瞬間に右の道を選ぶか、左の道を選ぶか、あるいは直進するか。それによって、あなたの人間的成長は大きく左右される。

 

あなたの人生の運の流れ、力の流れは、文字通り「瞬間」に支配されているのです。一見些細なやりとりにすぎない瞬間にこそ、人生を変える力が宿っている。すべてはいま、この一瞬に決まっているかもしれないのです。

 

僕が、皆さんにお伝えする心理学をできるかぎりマニュアル的なものから遠ざけようとするのは、このためです。実際問題、「目の前の相手との人間関係」をなんとかしようとするだけなら、マニュアル的な対応を学んでいくことで改善できることも少なくありません。

 

もちろん、対人関係においても「たったひとつのミスで破綻してしまう」こともあります。しかし一般的には、そこまでの厳しさが求められる対人関係というのは例外的です。私たちは互いに未熟であり、互いのミスを許しあうことによって、対人関係の絆をつむいでいるのですから。

 

しかしながら、あなたの人生全体に目を向けるのであれば、ある「瞬間」にあなたがどう行動するかということは、極めて大きな意味を持っていることが少なくありません。「覆水盆に返らず」という言葉がありますが、ある瞬間を逃すと取り返しのつかないことというのが、人生にはある。

 

誤解を恐れずにいえば、私たちが過ごす日常の「瞬間」には、人生がなぜかうまくいく人と、なぜかうまくいかない人を分ける分水嶺があるのです。

 

もしそうだとすれば。

 

私たちはどのように、そうした「人生の決定的な瞬間」に向き合っていけばいいのでしょうか? 僕が、僕の心理学の中で追求していきたいのは、まさにそのことなのです。

 

 

 

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年12月7日 Vol.113<人生の分水嶺は「瞬間」に宿る/natural fool な人々との素敵な出会い! 11.29銀座「LOUNGE ZERO」歌手デビュー報告/競争から誘惑へほか>目次

00【イントロダクション】人生の分水嶺は「瞬間」に宿る

01【近況】natural fool な人々との素敵な出会い! 11.29銀座「LOUNGE ZERO」歌手デビュー報告

02【コラム】競争から誘惑へ

03カウンセリングルーム<今週はお休みです>

04精神科医の備忘録 Key of Life

・批判をしても相手は決して変わらない

05講座情報・メディア出演予定

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【メルマガ】思考や論理と同じぐらいに、その人の気質を見よう

2015年11月16日(月)04時00分26秒

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「現実を直視しろ」

 

人は意外と安易に、そう言います。

 

そしてこの言葉は、多くの場面で相手の意見を封殺する、ある種の殺し文句として機能しています。しかしそもそも、個人にとっての「現実」とは何でしょうか。これはそう一筋縄にはいかないテーマではないでしょうか。

 

もしも人が同じように感じ、同じように考える生き物であるなら、「現実を直視しろ」という言葉は有効です。しかし、ある気質(身体の感受性)を持つ人にとっての現実が、別の気質を持つ人にとっては現実的ではない理想論か、下手をすると夢想としか感じ取れないことが少なくないことを、私たちは知っています。(少なくとも、このメルマガを読まれている読者の皆さんにとっては、共通認識となりつつあるでしょう)

 

そのような複数の「現実」の中で生きる私たちにとって、「現実を直視する」とはどういうことなのか? 体癖論を学ぶことは、この難問に取り組む上で、大きな手がかりとなります。

 

思想や知識を見ているだけでは、私たちは異なる意見に耳を傾けることができません。異なる意見が生じるのは、気質によってまったく異なる「現実」があるからです。思想や論理について考えるのと同じぐらい、相手の気質を見るということ。

 

もし、本当の意味で生産的な議論をしたいと思うなら、そのことは必須だと思うのです。

 

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名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年11月16日 Vol.112<思考や論理と同じぐらいに、その人の気質を見よう/寂しさとともにある幸せの中で、人は成長する/緊張をほぐす3つのステップ/表参道にて『キングダム』の戦禍に酔う心/身体から「倫理」と「道徳」の違いを考える/ほか>目次

00【イントロダクション】思考や論理と同じぐらいに、その人の気質を見よう

01【近況】寂しさとともにある幸せの中で、人は成長する

02【コラム】緊張をほぐす3つのステップ

03精神科医の備忘録 Key of Life

・表参道にて『キングダム』の戦禍に酔う心

04カウンセリングルーム<今週はお休みです>

05読むこころカフェ(36)

・身体から「倫理」と「道徳」の違いを考える

06講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

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【メルマガ】思想という舞台と、本当の智恵について

2015年11月03日(火)10時24分29秒

「自分が知らないことを知ろうとすること」

それこそが「学び」であるということについては、おそらくすべての人が同意されることでしょう。

しかしながら、不可解なものを知ろうとすることと、既に知っていることを再確認しようとすることを、当の本人が峻別することは、実は非常に困難です。本当に慎重に物事を進めているときをのぞいて、私たちの思考というものは、ほとんどの例外なく、自己承認に向かうのです。

だから、完成度の高い思想というのは、概ね「よくできた舞台」の様相を呈します。クリアカットで完成度の高い思想の「見事さ」というのは、(現実をよく説明しているからというよりはむしろ)その「舞台性」のうちに宿っているのです。

それはそれで、無意味なものとは言いません。しかしそれは、本当の智恵ではないのです。「智恵」というものがあくまでも現実と対人関係の渦の中で試されるものである限り、それはむしろ、智慧とは真逆の存在といっていいでしょう。

本当の智恵とは「まだ居ぬ地点から振り返ること」に宿るのであり、そのリアルさの深度こそが、智恵の深さを表すのだと思います。

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年11月2日 Vol.111<思想という舞台と、本当の智恵/特別対談:甲野善紀×名越康文第3回(最終回) 共同幻想の向こう側へ/9種体癖の執着心と体癖診断のコツ/ほか>目次

00【イントロダクション】思想という舞台と、本当の智恵について
01特別対談:甲野善紀×名越康文
第3回(最終回) 共同幻想の向こう側へ
02精神科医の備忘録 Key of Life
・旅の終わりに思うこと
03カウンセリングルーム(今週はおやすみです)
04塾通信(58)9種体癖の執着心と体癖診断のコツ
05講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】

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<お勧め講座>

(1)名越康文ライブ☆ DIZZY NIGHT 2015
Talk & Sing♪ & Party

人間の深奥を探求しつづける精神科医名越康文が自らの内奥を凝視め、
底にひそむ光る石を拾い上げ、自らを身体に委ねるとき、言葉と歌がほとばしりでる!

日時:2015年 11月29日(日) Start:17:00(Open:16:30)
会場:GINZA lounge ZERO
DIZZY NIGHT は、3部構成のライブ・バー形式(着席/ドリンク・料理付)です。
17:00 1st Stage:講演と対談のトークライブ
・講演「(準備中)」名越康文
・対談「生きている不思議/言葉と身体」ゲスト:覚 和歌子(詩人)

18:00 2nd Stage:ブルージィなJazzライブ
Nakoshi Yasufumi LIVE2015 DIZZY NIGHT
名越康文(vo)、東京ローカル・ホンク(g,b,dr,cho)、池田みどり(p) &サプライズα

19:00 Party: 打ち上げ&ひとあし早い忘年会

申し込み・問い合わせ
http://dizzynight-ktbkbt.peatix.com

 

(2)【残席わずか 早割は11月5日まで!】 名越式性格分類ゼミ(第27回)
日時:11月22日(日)13:30~16:00
場所:アープカレッジ巣鴨(東京・JR「巣鴨」駅徒歩2分)

名越式性格分類を学ぶ少人数ゼミ。これまで、1回ごとに1つの体癖を解説してきた当ゼミですが、前回から新たなフェイズに突入! 心理学、仏教、身体論など、さまざまな角度から、性格分類の世界を多角的に掘り下げていきます。これまで、どこの講座でも踏み込んでいない、最新・最深の名越心理学講義。

詳細は「名越式性格分類ゼミ」ウェブサイトをご覧ください。
http://nakoshisemi.yakan-hiko.com/
※メルマガ購読者割引あり
※定員に達し次第締め切り

【メルマガ】時の流れを泳ぐために、私たちは意識を手に入れた

2015年10月19日(月)04時35分57秒

時間というのは、いわば水の流れのようなものです。人間は、空間の中だけではなく、時間の中に住むようになった生き物だということができるでしょう。魚が水の中で泳ぐためにヒレを獲得したように、私たちは時間の波を泳ぐために、意識を獲得したのです。ですから、意識を曇らせることは、時空の中で溺れているということだといってもいいぐらいです。

神像や仏像の目は、対象に結ばれてはいないように見えます。それは、永遠に続く時の流れの中の一コマをどう生きるかという問いを、絶えず人に想起させる慈悲深い装置なのではないでしょうか。

さぁ、今日も空気の中を意識がうまく泳げますように。

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年10月 19日 Vol.110 目次

00【イントロダクション】名越式性格分類ゼミのこれから
01【近況】読者からの感想、戦後の匂い、内向きの攻撃性について
02【コラム】継続力を高める方法—飽き性のあなたが何かを長く続けるためにできること
03精神科医の備忘録 Key of Life
・コーヒーとカレー
04カウンセリングルーム
[Q1] 「償い」について
05特別対談:甲野善紀×名越康文
第2回 努力するいやらしさ、努力しないズルさ
06講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】

 

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名越式性格分類ゼミ10月告知動画

熱く語ってるなー名越。これシューイチ終わったあとですぐ撮ったんですけどね。

巣鴨で月1開催している、名越式性格分類ゼミ。これまでは月1回、ひとつの体癖を取り上げる、ということをやっていたんですが、10月18日のゼミからは、しばらく『体癖以前 日本人の精神性』というテーマを取り上げたいと思っています。

なぜ、日本人の精神性を考えることが、性格分類につながるのか? ということを上の動画で語っているわけですが、その「中身」については、10月以降、ゼミにお越しいただいた皆さんからの質問も交えながら、どんどん展開していく予定です。よろしければぜひ、ご参加ください。

名越式性格分類ゼミ@巣鴨
http://nakoshisemi.yakan-hiko.com/

地方にいて、ゼミに出席できない、という方には、通信講座版もあります。こちらは月に1回、DVDで講義を見ることができる、というものです。運営上、会員募集は数ヶ月に一回しかできないそうですので、ご興味のある方はぜひどうぞ!

名越式性格分類ゼミ(通信講座版)第3期会員募集中
https://yakan-hiko.com/meeting/nakoshi.html/

【告知】名越式性格分類ゼミ(通信講座版)第3期会員募集開始!

2015年10月07日(水)08時18分15秒

名越式性格分類ゼミ事務局です。大変お待たせをいたしましたが、「名越式性格

分類ゼミ(通信講座版)」第3期会員募集を開始いたします。

第3期募集定員は50名とさせていただきます。お申し込み人数が上限に達した時
点で締め切らせていただきます。なお、第4期の募集人数・時期については未定
です。

<<<お申し込み・詳細は下記リンク先より>>>
https://yakan-hiko.com/meeting/nakoshi.html

■特典グッズをご用意!
第3期会員としてご入会いただいたみなさんには、通常のDVDに加え、名越式性格
分類ゼミ(通信講座版)の限定グッズをお送りさせていただく予定です。

■名越式性格分類ゼミ(通信講座版)の概要

「なぜこの人とはわかりあえないのだろう?」
「どうして私の言うことが伝わらないのだろう?」

対人関係はすべての人にとって永遠の課題であり、謎でもあります。
この通信講座では、名越康文心理学の根幹をなす性格分類(体癖論)によって、
人間理解を徹底的に深めていきます。

※本講座は月1回、東京・巣鴨で行われている「名越式性格分類ゼミ」の通信講座
版です。「名越式性格分類ゼミ」についてはこちらをご覧ください。
※体癖論とは、野口整体の創始者・野口晴哉氏が提唱した、体型・体質などから、
人間の感受性の違いをタイプ別に分類したもの。名越式性格分類は、野口晴哉氏
の次男・野口裕之氏(身体教育研究所所長)の体癖論をベースに、自身の臨床経
験を踏まえてまとめなおしている。

【メルマガ】想像力は人生を変えるか

2015年09月21日(月)08時48分40秒

想像力は人生を変えるか。

 

おそらく何万人もの人が繰り返し、繰り返し、このことを語ってきたことだろうと思います。しかしそもそも、想像力とはなんなのでしょうか。本当に、想像することが、自分を、世界を変えることができるのでしょうか。

 

確かに、想像力が有効に働くことによって、人の潜在能力は開花します。同じように取り組んでいたとしても、心の中が「他人からほめられたい」という承認欲求で満たされた人は、目的を達成するたびに手綱を緩めてしまうでしょう。しかし、想像力に駆動された意欲というのは目的を達成することによって、さらにエネルギーを増していきます。どれほど巨大なことを達成しても、その次の瞬間には、次のことについてワクワクし、行動を起こすことができるのです。

 

これは想像力というものが持つ、まぎれもないひとつの真実です。ただ、この逆もまた真なり、ということは忘れてはいけません。想像力がネガティブな方向に働いたときに、どれだけその人の日々の暮らしと未来とを縮小させているか。無意識のうちに、どれほど「見えない監獄」を築いているか。これもまた、途方もない現実の一側面なのです。

 

だからこそ、私たちは想像力を常に、具体的な行動と結びつけて考える必要があります。こうありたい、やってみたい。そういう前向きな想像力を、いかに今日1日の行動に結び付けるか。その作業を怠っていると、私たちの想像力は行き場を失い、やがては思わぬ方向に暴走してしまうことでしょう。

 

想像力の力を開花させようとする人は、常にそれを、高い技能と情熱的な探究と結びつけておく必要があります。思いだけでそこに技がなく、また探求の労を惜しむならば、それは我欲にしかなりません。たとえそれが、どんな清純な思いであれ、大事を達成することにはつながらないのです。

 

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年9月21日 Vol.108目次

00【イントロダクション】想像力は人生を変えるか

01【コラム】「才能の芽」を摘まないために必要なたったひとつのこと

02精神科医の備忘録 Key of Life

・自分で自分の人生を経営する

03カウンセリングルーム

[Q1]方位が気になって旅に出られません

04読むこころカフェ(35)

・「痛み」から見る心と身体

05講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

 

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【メルマガ】無意識の中にある「他者への期待」–その功罪

2015年09月08日(火)04時18分57秒

最近気づいたことなんですが、僕ら日本人の心の中にある「他者への期待」っていうのは、その90パーセント以上が無意識のうちにあるものなんです。「もっと私のことを愛してほしい」とか「もうちょっと言うことを聞いてほしい」というように、きちんと言葉にして表現したり、自覚したりしているような「期待」というのは、その人が抱えている期待のほんの一部にすぎない。ほとんどの期待は、いわば深い無意識の底に沈んでいる(ふだん全く意識化されない)。

 

だからこそ、日本人の怒りというのは、ときに苛烈なものになる。「自分が何に対して、どのように期待しているか」という自覚がないために、その期待が裏切られ、怒りに転嫁してしまったときに、まったく歯止めがかからなくなってしまう。それは「自分がなぜ怒っているのか」がわからないから。無意識の期待に、気づいていないから。

 

もちろん、無意識の期待というのは、日本人だけが持っているものじゃありません。どこの国の人だって、程度の差はあれ、持っているものです。ただ、日本人は特に、「無意識の期待」の比重が高いんじゃないかと思うんです。それは結局、諸外国に比べて日本人の子育てが密接だから。

 

幼い頃から親があれこれ世話を焼いてくれて、非常に密接な身体的接触の中での「阿吽の呼吸」によって、言葉に出さなくても相手がやってくれる。そういう母子、もしくは父子が密着した子育ての中で育ってきた僕らの「期待」というのは、そのほとんどが無意識的なものにならざるを得ない。

 

つまり、「無意識の期待」の肥大化というのは、日本人の密な子育ての「副作用」だということです。

 

誤解のないように断っておきますが、僕は、日本人の子育てを、基本的には支持しています。「親が細やかに手をかけて子供を育てる」ということは、おそらくプラスの側面のほうが大きい。少なくとも、日本人が持つ繊細さや、高度なコミュニケーション文化というのは、こうした子育て習慣の中で培われてきたものだし、それは決して失われてはならないものだと思う。

 

しかし、そこには副作用もある。そのことは忘れてはならないだろうと思うんです。

 

 

名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年9月7日 Vol.107目次

00【イントロダクション】無意識の中にある「他者への期待」–その功罪

01【近況】善意のなれの果ての悪意/死に物狂いでやるということ

02【解説】観察力とは何か

03精神科医の備忘録 Key of Life

・共感せずに他者を認めることはできるか

04カウンセリングルーム

[Q1] 仏教に対して恐怖心を覚えています

05読むこころカフェ(34)

・他者がもたらす不快といかに付き合うか

06講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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【メルマガ】シュプレヒコールのデジャブ感—大切なのは、深く呼吸をすること

2015年08月17日(月)03時25分08秒

「戦争したくない」というのは、少なくとも「論点」とはいえません。議論の基点です。しかしいまのところ、そこを共有できないまま、時間だけが無為に過ぎ去っていきます。そこに、シュプレヒコールのデジャブ感を覚えざるを得ない。

平和を願うことは大切です。しかしそれよりもずっと大切なことは、一人ひとりの人間が、深く呼吸をすることです。深い呼吸をすることによって、はじめて私たちは考えることができる。そうでなければ、平和を主張する者の叫びが、虚しく響くことになるだけです。

シュプレヒコールによって煽ることの弊害は、考えること、学ぶことが必要ないと直感する者を増やしてしまうことです。物事を短絡的に捉えることを推奨することは、本人の予想をはるかに超えた扇動となります。なぜなら扇動された者は、同時に排他的に生きる者となるからです。そしてその究極の排他が「戦争」である、と考えることもできるでしょう。

ではなぜ人はかくもたやすく扇動されるのか? それは、私たちの多くが常日頃から、大きな不満を抱えながら生きているからです。

不満を抱えているから、私たちは「ただ生きる」ということはできず、なんらかのアイデンティティを求めます。それがわかりやすいものであればあるほど、魅力的に映る。

そういう意味では、私たち大衆の一人一人が、そうした世界的なアイデンティティの矛盾の只中に足を踏み入れるしかないという、空前の時代が訪れているのかもしれません。私もまた、その時代を、深い呼吸とともに迎えたいと思います。

 

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名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2015年8月 17日 Vol.106目次

00【イントロダクション】シュプレヒコールのデジャブ感
01【近況】性の交差現象が起きるとき、人は癒される
02カウンセリングルーム
[Q1] 「面倒くさい」は我慢しなければいけないのか
[Q2] デモに参加するときに気をつけなければいけないこと
[Q3] ついお酒を飲みすぎてしまう
03精神科医の備忘録 Key of Life
・時間とは「壊れやすさ」のことである
04【新刊】 『自分を支える心の技法』文庫版あとがき(抜粋)
05講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】

 

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