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「コミュニティ再起」の年に

2018年01月10日(水)05時48分46秒

なぜ、コミュニティの時代なのか

みなさん、明けましておめでとうございます。

2011年にスタートしたこのメルマガも、はや8年めを迎えました。この月2回のメルマガは、私にとって、活動や思考のベースキャンプと言ってもいい存在になってきました。

 

さて、今年はどんな年なのか。いや、より積極的に、どんな年にしていくのか。読者のみなさんも、それぞれ想いがあるでしょう。私の場合、今年はこれまで以上に「場=コミュニティ」づくりに力を入れたいと考えています。

 

というのも、私は、今年から数年ぐらいの期間というのは、この10数年の間に世界に広がってきたある種のグローバリズムや新自由主義的な価値観から、コミュニティ的な「場」を守りうる、勝負どころだと考えているからです。

 

振り返ってみればこの数百年、人が集う場=コミュニティは、攻撃にさらされ続けてきました。

 

誤解のないように言っておきますが、「攻撃」と言っても、別に「こんなコミュニティはいかん! 解散せよ!」という圧力によって、無理矢理壊されたわけではありません。

 

コミュニティを解体したのは、ほとんどの場合、コミュニティを担う当事者自身です。

 

例えば第二次世界大戦後、日本では急速に家族制度が崩壊していきました。では、家族を壊したのは誰だったか? それは、私たち自身です。「わずらわしい」「邪魔だ」というなんとなくの空気の力こそが、家族を壊した主犯です。そして、かくいう私自身も、家族制度崩壊については当事者の一人として、その流れに加担していたという自省を持っています。

 

家族制度の次に崩壊したのは「家族的な企業システム」ですが、これも同様の経過をたどりました。終身雇用に代表されるような擬似家族的なシステムによって営まれる日本的大企業は、この数十年の間に、「旧弊的」で「不合理」なものとして、私たちは自らの手によって、葬り去られてきたのです。

 

<続きはメルマガをご覧ください>

 


名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2018年1月8日 Vol.163
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今週の目次
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00【お知らせ】文庫版『驚く力』、単行本『ソロタイム 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』、好評発売中!

01【近況】「コミュニティ再起」の年に

02【カウンセリングルーム】

[Q]「相対地獄」から抜け出す方法はありますか?

03【pieces of psychology】出会い/集注/主体性

04【コラム】噂話の絶えない職場からすぐに離れた方がいい理由

05精神科医の備忘録 Key of Life

・正月は意外に動揺する

06講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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年の瀬に「私の人生はこのままでいいのか?」と思ったら読む話

2017年12月29日(金)02時34分47秒

拙著『SOLO TIME 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』の重版(4刷)が決まったそうです。

多くのみなさんにお読みいただき、感謝いたします。

本日は、本書の冒頭部分を公開したいと思います。

もしご関心を持った方がいらっしゃいましたら、どうぞご覧ください。

 

『SOLO TIME 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』冒頭より

 

今日は何人か、初めての方のお顔が見えますね。ありがとうございます。よろしければ、なぜ、こんな小さな、そして(自分で言うのもなんですが)怪しげな心理学講座に足を運んでいただいたのか、簡単に教えていただいてもいいでしょうか?

 

……ふむふむ、なるほど。いや、よくわかりますよ。皆さんの抱えている悩みに共通していることを、あえて一言で表現すれば、それはたぶん「自分の人生は、このままでいいのか?」という問いになると思うんです。

え? いい大人にもなって、恥ずかしいことをいうなって?

そんなことはありません。これは、私に言わせれば、人が生きる限り、絶対に「避けて通れない問い」ですから。

早い人で中学生、遅い人でも高校生や大学生ぐらいになると、私らは必ず一度は「人生とは何か?」「自分はいかに生きればよいのか?」と考えることになります。でも、多くの人は大人になると、自分がそんなことに悩んでいたことをすっかり忘れ、仕事や恋愛、子育てに力を注いでいきます。

だから、多くの人は、こういう問いは思春期特有のものだと思い込んでいるんですね。しかし、人生のどこかで、こうした「問い」は必ずもう一度、人の心に舞い戻ってきます。

がんばって働く、子どもに愛情を注ぎ込む、映画や音楽、テレビや漫画を楽しむ……そうやって忙しく日々を過ごしている日々の中で、あるときふと、忘れたはずの問いが頭をよぎる。

「私、何のためにこんなに忙しくしてるんだっけ?」
「こんな毎日を繰り返すことに、意味があるのかな?」

忙しく仕事をこなして、すっかり疲れ果ててソファにへたりこんでいるとき、あるいは、たくさんの友人と一緒に楽しくパーティの席を囲んでいるそのさなかにすら、この問いは唐突に、私たちの心を支配します。

 

胸の片隅にぽっかりと小さな穴が空いてしまったみたいに虚しくて、何をやっても満たされなくなってしまう。

 

実は今、こういう状態に陥っている人は増えているんじゃないかと思います。

日本の経済は右肩下がりの傾向にあるともいわれていますが、長い目で見た時には、私たちは間違いなく、かつてなかったほど物質的に豊かで、そして危険の少ない世界に暮らしています。

お腹が減ればコンビニでおにぎりを買うことができるし、その帰り道に、ライオンやチーターに襲われないかとビクビクする必要はありません。一万年前、狩猟採集生活を送っていた私たちの祖先にしてみれば、それは夢のような生活でしょう。

しかしながら、一人ひとりの人生を見たときには、私たちが祖先よりも幸せな人生を送ることができているかというと、はなはだ疑問ではないでしょうか。多くの人は、表面的には幸せを装いながらも、心のどこかで途方もない虚しさを抱えながら、日々を過ごしています。

私は、町医者です。十数年ほど病院の精神科に勤め、独立してからはクリニックで毎日、たくさんの患者さんを診させていただく中で、多くの人が、心のどこかに大きな虚しさを抱えておられることに気がつきました。

「自分の人生は、このままでいいのか?」という問いの答えは、当然ながら、一人ひとり違うはずです。ただ、私自身の経験から申し上げれば、答えそのものは違っていても、その答えに至るための道筋は、共通しています。

 

この講座では、先人たちの知恵と私の経験から、皆さんが抱えている虚しさの正体を突き止め、それを払っていくお手伝いをさせていただきたいと考えています。

 

続きは本書で!

 

 

話題沸騰! 各所で絶賛!!
『ソロタイム(Solo Time) 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』


著者:名越康文
四六版並製、256ページ
ISBN:978-4906790258
定価1600円+税
夜間飛行 2017年6月12日刊

アマゾン→http://amzn.to/2raktov

電子版(kindle、epub)→https://yakan-hiko.com/dc.php?no=12

honto→https://honto.jp/netstore/pd-book_28512870.html

 

■内容

他人の言葉や常識に振り回されず、
納得のいく人生を送るために必要な
新時代のライフスタイルの提案!

5000人のカウンセリング経験から得た精神科医の結論!

「会社や家族、友人や恋人といったさまざまな人間関係を維持していくことだけに、人生のエネルギーと時間の大半を注ぎ込んでいる人は少なくありません。しかし、そのことが、現代人の不幸を生み出しています。
人間関係は大切だけれど、それ自体は人生の目的ではないのです」

「日ごろの人間関係からいったん手を離し、静かで落ち着いた、ひとりぼっちの時間を過ごす。たったそれだけのことで、何ともいえないような虚しさが、ふっと楽になった、という人は、少なくありません」
(本書より)

<<各所で絶賛!! 話題沸騰!!>>

繋がりを繋がりに戻すためにはひとりの時間が必要です。「ひとりになってみる!」とひとり宣言をしてみる。そしたら思っている以上に勇気が出たり、自分の力を取り戻せていけますよ。(しいたけ占いのしいたけさんブログより)

「メレンゲの気持ち」で森星さんが絶賛! ラジオ「伊集院光とラジオト」「ハフポスト日本版」「ビジネスブックマラソン」など、各メディアで大きく取り上げられました!

【ご案内(12/23)】『ソロタイム 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』の入手について(電子版情報含む)

2017年12月23日(土)09時05分17秒

12月23日放送の『メレンゲの気持ち』で、モデルの森星さんにご紹介いただいた影響で、新刊『ソロタイム 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』がamazonで在庫切れしている模様です(12/23現在)。

版元からは、週明け、26-27日頃には在庫が復活するとのことですが、ネット書店ではamazonの他にも、丸善ジュンク堂がやっているネット書店「honto」や紀伊国屋書店などで、送料無料・即日配送でご購入いただけます。

honto:『SOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』

紀伊国屋書店

・ヤフーショッピングでのご購入はこちら

https://store.shopping.yahoo.co.jp/yakan-hiko/906790258.html

 

また、電子書籍版は、こちらからご購入いただけます。

『ソロタイム 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』(電子書籍版)

※amazonで購入できるのは、紙の書籍版のみです。kindleご利用の方も、上記サイトよりご購入ください。

 

もちろん、書店に足を運んでいただける方であれば、紀伊国屋、丸善ジュンク堂書店、その他全国書店で販売中ですので、ぜひ手にとってご覧ください。

大手書店では、こんなパネルとか、

こんなポップで、

みなさんをお待ちしています。

ぜひ、書店で手にとってご覧いただけると嬉しいです。

千の反省よりも、一人の友人を大切に

2017年12月03日(日)08時58分54秒

自己批判や反省ということほど、難しいものはない、ということを、最近、つとに感じます。私たちは常に、自分の一部を否定することによって、自分自身を肯定しています。「こんなにひどいことをしてしまう私」を批判し、否定することによって「そうした判断力を持つ自分」を肯定し、ほめそやしているのです。

 

おそらく、大事なことは、その構造に気づいていることです。

 

完全なる自己否定は、完全なるナルシシズムを生むだけであるということ。人は常に、自分自身を認め、肯定するという前提なくして、自己批判や反省などはできないということ。理屈で言えば、誰もが納得することのはずですが、これを実践レベルで忘れずにいられる人は、ほとんどおられません。

 

それゆえに僕は、千の自己批判よりも、一人の友人を大切にすべきだと考えています。

 

あなたが誤った道を選んでいないかということを気にかけ、「おかしい」と感じた時にはきちんと、「ここはちょっと、まちがっているんじゃないか」と忠告してくれる。そんな友人の存在は、どれほど時間を費やした自己批判よりも、私たちを正しい方向へと、導いてくれます。

 

 

もちろん、友人といっても、あなたの意見といつも合わせてくるようなイエスマンでは意味がありません。また、あなた自身が、その人に対して、十分な敬意を持っていなければ、いざという時、その人の言うことに耳を傾けることはできないでしょう。

 

理屈と膏薬は、どこにでもつけることができますが、その効き目もまた、限定的なもので鹿ありません。

 

しっかりとした見識を持つ人と、時には厳しく、踏み込んだ意見を言い合える関係性を作ること。それは、どんな精緻な理論や思想、知識を身につけるよりも、私たちを導く道標となるのです。

 



名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)
2017年11月6日号(Vol.159)より

メルマガのご購読は下記から。初月は無料です。

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【新刊】驚く力から、ひとりぼっち(ソロタイム)へ(『驚く力』文庫版あとがきより)

2017年11月26日(日)09時06分52秒

夜間飛行から最初に出した書籍『驚く力』の文庫版が、11月24日に出ます。

 

加筆修正、見出しの改稿、『ソロタイム ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である』でもお世話になったイラストレーター、伊藤美樹さんのイラストもたくさん入り、新装開店!! でのお届けです!

 

 

驚く力 矛盾に満ちた世界を生き抜くための心の技法

 

 

 

 

<文庫版あとがき>

 

文庫版の出版準備を進める中で、驚いたことが2つあります。一つは、本書『驚く力』が、思いのほか、「読みづらい」ものであった、ということです。

 

これはおそらく、当時、私の心理学がまだ十分に整理・体系化しきれておらず、言葉も足りないために、十分に表現しきれなかった、ということなのでしょう。

 

刊行から四年が経ち、その間、メールマガジン「生きるための対話」を中心に、さまざまな角度から、自分の心理学を言葉にする試みを重ねてきた今の視点で見ると、「言いたいことがあるのに、言葉が追いついていない」という印象を受けました。

 

ただ、書かれていることは新鮮であり、また、今日の社会の問題意識とも、十分リンクしているとも考えました。考えた末、一部の表現を改めたつつも議論の流れはそのまま残すことにしました。その代わり、見出しやリードについては大きく改変、さらにイラストを加えることで、読者の理解を助ける作りを目指すことになりました。

 

結果、本書は単なる「文庫版」というより、リニューアルの新版、という趣旨のものになったと感じています。

 

もう一つ、驚いたことは、私が二〇一七年に書き下ろした新刊『ソロタイム(SOLO TIME) 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』(夜間飛行、2017/以下、『ひとりぼっち』)と本書の間にある、奇妙な「呼応」関係でした。

 

お恥ずかしい話ですが、私は出版されてしまった本の内容は、ほとんど忘れてしまう人間です。(だからこそ、今回の文庫版を読んでいても、まるで誰か他の人が書いた本を読んでいるような気持ちになります)

 

しかしながら、四年の年月をまたいだ二冊の間には、さまざまなところに、つながりや、呼応、響きあうものが感じられました。

 

もちろん、同じ人間が書いているのですから、それは当然のことなのかもしれません。ただ、取り上げている具体例やテーマは、本書と『ひとりぼっち』の間には、それほど似通っているわけではないのです。むしろ、まったく別の話をしているのに、どこか、奥の方で響き合っているように感じられる。そういう面白さが、この二冊の間にはあると思います。

 

ぜひ、この2冊をどちらも読んでいただいた方の感想も聞いてみたいな、と思います。ツイッターやメルマガなどに、感想をお寄せいただければ嬉しいです。

 

本書の文庫版では、伊藤美樹さんに、素敵なイラストを描いていただきました。伊藤さんには、『ひとりぼっち』でもたくさんのイラストをいただきましたが、前回に負けず劣らず、深い理解に基づいたイラストだと感じました。また、夜間飛行の編集の鳥居さんには、今回もひとかたならぬお世話になりました。

 

みなさんが、内なる「驚く力」を、さらに高められることを祈って。

 

2017年10月 名越康文

 

驚く力 矛盾に満ちた世界を生き抜くための心の技法

 

Solo Time 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である