【心理学】昭和天皇から考える共同体感覚の不完全さ


共同体感覚というのは、アドラー心理学の重要なキーワードです。共同体感覚は、人間に備わった大切な資質であることは間違いないと思いますが、その一方で「完璧」なものではありません。

よく名越なんかが偉そうなことを言えるな、と思われるかもしれません。どうかお許しください。そしてこれは、僕というより、僕のアドラー心理学のお師匠様が仰ったことを、僕なりに解釈してお伝えしています。(ですから過ちがあればすべて僕の責任であることもまた明らかです)

共同体感覚は、完璧な理論ではない。まず、ユダヤ人であるアドラーが構想したこの理論には、ユダヤ思想がベースのところに入っているでしょう。また、純粋に論理的に見たとしても、意図的に曲解や誤解をされる余地、可能性をやはり持っている。そういう意味で、不完全なものです。

ただ、そうしたマイナス面を割り引いたとしても、アドラーの共同体感覚という発想には、多くの可能性が眠っていると僕は考えています。

■共同体感覚の実例としての昭和天皇

人は自分を大切にする。つまりは「自己保存」で動いています。そりゃ、そうですよね。我が身は誰でもかわいい。あるいは他人の子供よりも自分の子供のほうが気にかかる。これは当然です。

でもね、人にはそれと同時に、自分のことよりも、他人のことを考える部分を持っている。「自分の所属する共同体に対して、自分は何が貢献できるだろう?」と考えることができる。非常にざっくりとした定義ですが、これをアドラーは共同体感覚と呼んでいたわけです。

このように説明すると、共同体感覚っていうのは、僕らが日常的にイメージする「道徳」に近いものだと感じるかもしれません。ただ、共同体感覚というのは、やはり道徳とは違う…(続きはメルマガ本編をご覧ください)

 


名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2019年10月21日 Vol.206
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今週の目次
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00【ご案内】今週のシークレットトーク
01【心理学】昭和天皇から考える共同体感覚の不完全さ
02【カウンセリングルーム】今週はお休みです
03【ビジネス】真のリーダーは「自分で自分を説得する」ことができる!
04【名越式性格分類ゼミ】第3回名越式性格分類ゼミ認定試験の提出課題解説
05【pieces of psychology】<頭がいいとはどういうことか>
06精神科医の備忘録 Key of Life
・より微細なものにアクセスする
07講座情報・メディア出演予定
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