【メルマガ】「お説教」に陥らないために


誰かに何かを伝えたい。そういう思いを持つことは素晴らしいことです。

でもそれはしばしば、「お説教」になります。

 

「お説教」になった途端、人は耳を閉ざします。それは親子でも、教師と生徒でも、友人でも、恋人でも、まったく同じです。

 

人の無意識はその人の話の内容よりも、その人と自分との関係を見ています。特に若者、もっといえば、子どもの無意識はいつも内容ではなく、関係性を見ている。自分と相手との関係性が抑圧的なのか、お互いを尊重し合っている関係なのかを見ている。

 

だからいわゆる「お説教」は功を奏さないどころか、むしろ相手の心を離れさせてしまうのです。

 

 

お説教は、関係性の膠着を生みます。お説教するほうもされる方も、相手を軽視しはじめます。これでは、教えが正しく伝わることはありません。

 

言うまでもなく、何かを教え、伝えることは大切なことです。でも自分の伝え方が「お説教」になっていないかどうかを、いつも細心の注意を払って観察しておくべきです。

 

「お説教」に陥らないために見ておくべきポイントはいくつかあります。ひとつは、自分が「当たり前のこと」ばかりを口にしていないか、ということ。

 

人にものを教えるときに、当たり前のことばかりを言っている。これは、かなりの確率で、ただの「お説教」になっています。

 

そこにあるのは、相手への対抗意識です。無意識のうちの対抗意識が、教えを「お説教」に変えてしまう。これを打開するためには、相手への尊敬を伴う、柔らかな観察が必要なのです。

 


名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2018年8月20日 Vol.178
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今週の目次
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00【締切間近!】名越式性格分類ゼミ(通信講座版)第14次受付中!

01【近況】「お説教」に陥らないために

02【カウンセリングルーム】(今週はおやすみです)

03【pieces of psychology】<所有について/2種類の「わかった!」/恐怖心をなくしてはいけない/不自然を感じ取る>

04【スペシャル対談Vol.2】名越康文×しいたけ「運命をつかむ人ってどんな人?」(第2回)

05精神科医の備忘録 Key of Life

・歌こそ無私の愛である

06講座情報・メディア出演予定

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