「コミュニティ再起」の年に


なぜ、コミュニティの時代なのか

みなさん、明けましておめでとうございます。

2011年にスタートしたこのメルマガも、はや8年めを迎えました。この月2回のメルマガは、私にとって、活動や思考のベースキャンプと言ってもいい存在になってきました。

 

さて、今年はどんな年なのか。いや、より積極的に、どんな年にしていくのか。読者のみなさんも、それぞれ想いがあるでしょう。私の場合、今年はこれまで以上に「場=コミュニティ」づくりに力を入れたいと考えています。

 

というのも、私は、今年から数年ぐらいの期間というのは、この10数年の間に世界に広がってきたある種のグローバリズムや新自由主義的な価値観から、コミュニティ的な「場」を守りうる、勝負どころだと考えているからです。

 

振り返ってみればこの数百年、人が集う場=コミュニティは、攻撃にさらされ続けてきました。

 

誤解のないように言っておきますが、「攻撃」と言っても、別に「こんなコミュニティはいかん! 解散せよ!」という圧力によって、無理矢理壊されたわけではありません。

 

コミュニティを解体したのは、ほとんどの場合、コミュニティを担う当事者自身です。

 

例えば第二次世界大戦後、日本では急速に家族制度が崩壊していきました。では、家族を壊したのは誰だったか? それは、私たち自身です。「わずらわしい」「邪魔だ」というなんとなくの空気の力こそが、家族を壊した主犯です。そして、かくいう私自身も、家族制度崩壊については当事者の一人として、その流れに加担していたという自省を持っています。

 

家族制度の次に崩壊したのは「家族的な企業システム」ですが、これも同様の経過をたどりました。終身雇用に代表されるような擬似家族的なシステムによって営まれる日本的大企業は、この数十年の間に、「旧弊的」で「不合理」なものとして、私たちは自らの手によって、葬り去られてきたのです。

 

<続きはメルマガをご覧ください>

 


名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2018年1月8日 Vol.163
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今週の目次
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00【お知らせ】文庫版『驚く力』、単行本『ソロタイム 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』、好評発売中!

01【近況】「コミュニティ再起」の年に

02【カウンセリングルーム】

[Q]「相対地獄」から抜け出す方法はありますか?

03【pieces of psychology】出会い/集注/主体性

04【コラム】噂話の絶えない職場からすぐに離れた方がいい理由

05精神科医の備忘録 Key of Life

・正月は意外に動揺する

06講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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