【メルマガ】誰も知らない「本当の時間」の力

2015年07月20日(月)01時39分41秒

何かと人の言葉にイラついて仕方がないという人でも、その言葉を朝に聞くのか、夜に聞くのかによって、腹の立ち方はずいぶん違うはずです。昼間は内容が気になり、夜は語尾が気になる。そんなふうに、時間帯によって、同じ言葉でも、心や身体にどう響くかは、変化するのです。

 

「時間」というものが私たちの感覚に与える影響の大きさは甚大です。しかし、そのことに本当の意味で気づいている人は非常に少ないのではないかと感じます。多くの人は、時間というものを時計が刻む客観的な「時間」としてしか捉えることができず、私たちの感覚が捉えている「本当の時間」に向き合おうとはしません。

 

では、時計が刻む客観的な時間と、僕たちが日々、実感として受け止めている「本当の時間」には、実際のところ、どのような違いがあるでしょうか。

 

結論からいえば、客観的な時間というのは「モノサシ」に過ぎず、実態を持たない概念にすぎません。それに対して、私たちの感覚によってありありと捉えることのできる「本当の時間」には、途方もない力が宿っているのです。

 

私たちは通常、空間における作用を“力”と呼びます。しかしそのような力はすべて、時間に押し流されていきます。時間の持つ力は絶大なのです。しかし繰り返し述べてきたように、私たちは通常、時間の持つそうした「力」に直接、触れることができずにいるのです。

 

「本当の時間」は、常に伸び縮みをしています。ある瞬間が、途方もない厚みを獲得してしまうことすらある。それを捉えるためには、「行」に取り組む必要があります。感覚を、物事(対象)に対して集注させるのではなく、瞬間に集注させる。それが行の入り口です。

 

行に取り組むことによって、私たちの感覚はようやく、「本当の時間」を捉え始めます。自分であれこれ考えているうちは、私たちは因襲的な時間の枠組みから抜け出すことができません。行に取り組むことによって、僕たちは初めて、厚みを持つ時間に遭遇します。そこにきて、はじめて僕たちは、時間が持つ本当の力を、自身の身体全体で受けとめることができるのです。

 

 

 

名越康文メールマガジン「生きるための対話(dialogue)

2015年7月20日 Vol.104
目次

00【イントロダクション】誰も知らない「本当の時間」の力

01【コラム】活力を呼び込む午前中の過ごし方

02精神科医の備忘録 Key of Life

・自己への囚われはときに生きる活力の息の根を止める

03カウンセリングルーム

[Q1]子供の才能を枯れさせない関わり方とは?

[Q2]自分に向けられた怒りをうまく受けとめることができません

04読むこころカフェ(34)

・他者がもたらす不快との付き合い方

05講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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【メルマガ】「他人に支配されない人生」のために必要なこと

2015年07月07日(火)08時20分20秒

人はいつも、思考や価値観よりも、刺激と感覚に引きずられて生きています。

それは言い換えれば、どれほど情報を仕入れ、自分の頭で考え抜いても、「感覚」にアプローチしない人は容易に他人に誘導され、コントロールされてしまうということです。

感覚というのは「数量」や「実体」よりも有力な“現実”です。言い換えれば、私たちが触れる「実体」や「数量」というのは、常に感覚によって“汚染”されている、ということです。

我々は現実というよりむしろ、感覚に取り囲まれて日々を過ごしている。ですから、他人に支配されない人生を望むのであれば、いまあなたが知るものよりもずっと広範囲の感覚を意識し、それらを深めていくことが必要です。

しかし、ここで問題があります。それは、感覚を広げ、そして深める手段を「学ぶ」道はほとんど絶無に近いということです。感覚を深める道は、学ぶというよりは師について習うものであり、その機会に恵まれなければ、上達どころか、そのようなテーマが存在することにすら、気づくことができないのです。

 

 

名越康文メールマガジン「生きるための対話(dialogue)

2015年7月6日 Vol.103
目次

00【イントロダクション】「他人に支配されない人生」のために必要なこと
01【近況】類人猿分類(『ゴリラの冷や汗』)がブレイクした理由/「考える」とは何か02【コラム】カバンには数冊の「読めない本」を入れておこう
03カウンセリングルーム
[Q1]勝ち負けと怒りについて
[Q2]恋愛が面倒です
[Q3] やりたいことが多すぎてひとつに選べない
04精神科医の備忘録 Key of Life
・悪口を言うと運気が悪くなる
05講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】

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【メルマガ】「疑う力」を失った現代人

2015年06月26日(金)10時35分47秒

人間の論理は、ある段階で必ず「一面的な理解」に行き着かざるを得ません。そして多くの場合、思考はそこで終結し、あとはその一面的な論理による「壁」と現実との間を絶えず循環するだけになってしまうのです。

なぜなら、脳は、不条理なものを思索し続けることが苦手だからです。僕たちの思考は、一面的な論理に絡め取られやすいし、他者からの扇動・操作を受けやすい。

言い換えれば、人は人生のどこかで必ず(本当の意味で)思考することを諦め、一面的な言説、物事を真に受けてしまうようになるということです。しかしそれは突き詰めればエゴであり、事実の実態をとらえているとはとても言えないのです。

それゆえ、理想主義者は純粋過ぎる理想を掲げているにもかかわらず、ほぼいつも、人の嫉妬や怒り、つまりルサンチマンを集める集金人のような役割を担うことになります。そして後になって、その時間が人生の浪費であったことに気づいたとしても、そこからもう一度エンジンを吹かせることは極めて難しい。なぜなら、それまでの現実と「壁」との間の無限の循環によってエネルギーを浪費し、疲労が蓄積されてしまっているからです。

その壁を乗り越え、自立した思考を続けるためには、「謎」を追い続ける構えを持つ必要があります。そこで、求められるのが「疑う」という能力なのですが、残念ながら現代では、多くの人が、「疑う」ということの本質を見失っています。

本当の意味での「疑う」というのは、「よく見る」ということです。でも、多くの人は、疑おうとして、妄想する。

では「よく見る」とはどういうことか。それは、観察しながら、そこに踏みとどまるということであり、これだけが、妄想的ではない「疑う」を支えるのです。

踏みとどまることができた人だけが、次の一歩を踏み出すことができるのです。

そして何かを超えることは、ほとんど何かを捨てるということとイコールである、ということも忘れてはいけません。それらは同時であり、どちらか一方ではいけないのです。

 

名越康文メールマガジン「生きるための対話(dialogue)

2015年6月15日 Vol.102
目次

00【イントロダクション】「疑う力」を失った現代人
01【近況】お掃除ロボットが起こした静かな革命
02【コラム】できるだけ若いうちに知っておくといい「本当の」愛の話
03精神科医の備忘録 Key of Life
・「思い」を越えよ
04カウンセリングルーム
[Q1]子育て中の妻にイラついてしまう
[Q2]体癖の偏在について
[Q3]仲間から一目置かれたい
05講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】

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【メルマガ】依存から祈りへ

2015年06月03日(水)10時19分55秒

「論理的に正しい言葉」は、人を勢いづかせることはあっても、決して心の奥底に届く波紋にはなりえません。論理に依存した虚勢は、攻撃する対象を失えばそれでおしまいです。

依存とは、自分以外の誰かの攻撃性に乗っかることです。無意識の依存から解き放たれ、これまでの自分の数倍の力を活用すること。それだけが、未来を開くカギなのです。

まずは毎日、自分を十分に応援してください。誰かの手助けや肩入れは、その余力でやればよいのです。

自分を応援するコツはひとつだけ。心に浪費されるエネルギーを半減させること。人の心が成長しないかぎり、社会革命のほとんどは失敗する運命にありますが、自分の心の中の革命は、心と自分とを切り離すたびに、起こすことができるのです。

人間は絶えず、無意識のうちに事実誤認をし、しかもそれに対して知ったかぶりを決め込んで生きています。そのことを繰り返し認めましょう。それが分かった上で、目の前の出来事に対して、落ち着いて頭と手を動かしましょう。いかにも他の誰かが言いそうな尻軽な正しい言葉を口にしそうになったときには、一度、言葉を飲み込み、心と自分とを切り離すことに務めましょう。

それは本来の意味での「祈り」と言い換えてもいいでしょう。往々にして、私たちは過去や未来に向けて祈ろうとします。しかし、少なくとも心理学的な意味での「祈り」の王道は、「今」を祈りの集注で満たすことなのです。

別の言い方をすれば、祈りとは、自分自身をしっかりと背負いつつ、その瞬間に、自分の中身をそっくり入れ替えてしまうことなのです。

 

 

名越康文メールマガジン「生きるための対話

2015年6月1日 Vol.101
目次

00【イントロダクション】依存から祈りへ
01【近況】住民投票とドローン少年に見る前思春期性問題について
02カウンセリングルーム
[Q1]「明るい怒り」なんてあるんでしょうか?
[Q2]空気が読めてない自分を何とかしたい
03精神科医の備忘録 Key of Life
・具体的な対象から学ぶ
04読むこころカフェ(33)
・人は心の奥底では無限に成長したいと願っている
05講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】
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名越式性格分類ゼミ(通信講座版)へのお誘い

2015年05月08日(金)03時42分09秒

皆さんこんにちは、名越康文です。

2015年1月からスタートした名越式性格分類ゼミ(通信講座版)はおかげさまで好評をいただいており、このたび、第2期の会員募集をさせていただくこととなりました。

 

nakoshi

僕は「旅する精神科医」と言われるぐらい、北海道から沖縄まで毎日のように講演や講座などをやらせていただいているわけですが、単発の講座や講演でお話するのは、僕の心理学の一方の柱である、「心とはどういうものか」「心を制御したり、成長させるにはどうしたらいいか」「自分の心と付き合うにはどうすればいいか」といったテーマなんですね。

もちろんそれはそれで、大切なのですが、一方で、そうした単発の講座では、僕の心理学のもうひとつの柱である性格分類、気質分類についてお話をする機会が滅多にない、という問題がありました。

というのも、1時間半なり、2時間という時間だと、「心とは何か」といったテーマについてはある程度まとまったお話はできても、性格分類についてはまとまったお話をするのは難しいからです。お話できないわけではないですが、その程度の時間だと、ほとんど間違いなく、本質を見失った状態でお伝えしてしまう可能性が高い。

だからこれまで僕は、福岡、大阪、東京という、非常に限られた場所で、限られた人を相手にしか、性格分類=体癖論のお話をしてこなかった。それ以外の地域に住んでおられる、性格分類に関心を持ってくださる方々には申し訳ないな、という思いをずっと持っていました。

また、福岡、大阪、東京で行っている講座においても、問題はありました。僕の性格分類は、全10種類の分類の1つを説明するだけでも最低3時間、本当に漏れなく伝えようと思えばその倍ぐらいはかかってしまいます。よって、「自分で診断ができるレベル」まで学ぼうと思うと、最低でも10種類×2クール、計20回ぐらいは講義を受ける必要があるわけですね。

そうなると、福岡、大阪、東京での講座であっても、漏れなく受講することが難しい、という声が上がっていました。それは、受講生のお勤めやもろもろの事情を考えれば、やむを得ないことです。

今回始まることになった通信講座という形態は、そうした問題を一挙に解決するべく、事務局を勤める夜間飛行のスタッフに検討してもらい、実現の運びとなりました。これまで実際の講座を受講した経験のある方から、メルマガなど、活字を通して関心を持っていただいていた方まで、幅広い方々に利益となるのではないか、という趣旨で運営しています。

基本的には、毎月、1つの体癖を学んでいただく構成となっていますが、そのとき、大切なことは、単にその分類を「覚える」というよりは、それぞれの性格の機微、温度、質感、人格そのもの、といったものを感じ、表現していくことにこそ、その醍醐味があります。

ひとつの体癖を学び終わったときに、自分の中で、その気質が躍動しだすような感覚が生じてくれば「成功」だと考えています。そうすれば、周りの人をみてある程度、「ああ、あの人はこのタイプなんじゃないか」ということがわかってきますから。

DVDは、できるだけ当日の講義を、生のままお伝えするようにしています。ライブ講義の息づかいや、そこに込められた感情、ユーモア、冗談、息づかい……といったさまざまな要素は、しばしば「おまけ」として捉えられがちですが、「人間そのもの」を扱う性格分類においては、それらは各体癖の「内容」そのものです。もちろん、講義のDVDだけで体癖論のすべてを伝えることができるとは思いませんが、DVDに収録されたすべてを味わって、奥深い体癖論の世界に没入していただければ幸いです。

名越式性格分類ゼミ(通信講座版)

現在(2015年5月8日)、第2期会員申し込み受付中!(定員に達し次第、締め切ります)
・毎月1回、講座DVDの送付(「名越式性格分類ゼミ」の講義を収録・編集)
・月1回〜のサポートメール(名越康文からのビデオメッセージあり)送付
・メールでの質問受け付け
・名越式性格分類ゼミ(月1回、東京・巣鴨で開催)の会員割引
・その他、不定期でのイベント等予定。
詳細・申し込みはこちら!
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【メルマガ】「深刻になる」という病

2015年04月22日(水)09時02分21秒

※メルマガVol.098(2015年4月20日)を発行しました! ご購読はこちらから

 

「深刻になる」という病

 

メルマガや講座でいただく質問をお聞きしていると、自分自身の問題について「深刻に」考えてしまって、身動きがとれなくなっている方がしばしばおられます。

でも、残念ながら、物事を深刻に考えてしまうことほど、無駄なことはありません。

こんなことを言うと、怒り出す人もいるでしょうね。「自分の人生に真面目に向き合っている人に、なんてひどいことを言うんですか」と。「精神科医の風上にも置けない奴だ!」と思う人もおられるかもしれません。

しかし、物事を「深刻に」考えることは、「真剣に」考えることとはまったく違います。むしろ「深刻になる」ということは、その人本来の思考能力を奪う枷といっても過言ではないのです。

そして、さらに臨床的な視点から言わせていただくならば、物事を深刻に考え込めば考え込むほど、周囲の人間は、その人をまともに扱ってくれなくなります。「深刻な人」は、他人の食い物にされることはあっても、一人の人間としてきちんと向き合ってもらえなくなる。これは間違いなく、冷徹な社会的現実です。

なぜそんなことが起きるのか。それは「深刻になる」ということが、世界よりも、他人よりも、何よりも「自分」への関心が強くなることによって引き起こされる、ひとつの心的状態に過ぎないからです。別に深刻になったから真理に近づくわけでもなければ、良い考えが降りてくるわけでもありません。深刻さというのは、ただただ「自分」への関心を高める心の働きに過ぎないのです。

必要なことは「深刻になる」という病から脱することを決意して、物事を真剣に考えることができる自分を取り戻すことです。そうすれば、周囲の人もまた、あなたが本来の自分を取り戻す上での、心強い支援者となってくれるでしょう。

人間の知性がもっともその力を発揮するのは、何かを考えているときではなく、何かについて考えることを停止する、その瞬間です。何が考えるべきことであり、何が考えるべきことでないのかを直覚し、実行するということ。

人間は考える力が足りないのではなく、妄想によって正しく考えることをいつも阻まれているだけなのです。その「枷」を外す方法はただひとつ。毎日、きっちりと汗をかく程度に身体を動かすこと。身体を動かさずに深刻に悩む時間ほど、最低のものはありません。

日々、身体を動かしていれば、自ずと答えは見えてくるはずです。

 

 

 

名越康文メールマガジン「生きるための対話

2015年4月20日 Vol.098
目次

00【イントロダクション】「深刻になる」という病
01【コラム】「本気で伝える」ことの大切さ 追悼桂米朝師匠
02精神科医の備忘録 Key of Life
・人は複数の時間を生きていい
03カウンセリングルーム
[Q1] 親友と呼べる友達がいない
[Q2] 自分に自信が持てない
04読むこころカフェ(32)
・捨てるべきは他罰性
05講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】

 

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【メルマガ】「本気」という無意識のゴンドラに乗るために

2015年04月06日(月)05時58分46秒

※メルマガVol.097(2015年4月6日)を発行しました!

 

「どうすればいいですか?」と聞かれると、私は「本気ですか?」と聞き返します。

何かにつけて「どうすればいいですか?」と聞きたがるのは、現代人の大きな病といえます。というのも出会い頭に「どうすればいいか」を聞いて、それをやり遂げた人を私は知らないからです。人から「方法」を授けられたからといって、それを実践できるかどうかはまったく別の話です。少なくとも、それを半年や一年といった期間、続けることは難しい。

それは「自発性がなければ人は行動しない」ということですが、それ以前に、そもそも人は滅多に、本当の意味で「他人に問う」ということをしない、ということでもあります。僕らが日常の中で目にする「問い」に見えるものの多くは他者への無意識の「謎かけ」であり、相手をコントロールしようという試みに過ぎないのです。

 

仏教には自内証という言葉があります。自己を証するものは内側にある、という意味だけれど、だとすれば、問いというのはもともと、自分の外にいる「誰か」ではなく、自分の「内側」に向けられたものでなければならないということです。

自分自身ではなく、他人に「どうすればいいですか?」と聞きたがる。その人に欠けているものは「方法」ではなく、「本気になる」ことだと私は考えます。

本気になり、真剣になることで初めて門は開かれます。といっても、私たちは「本気になるぞ」と心に決めたからといって、すぐさま本気になれるというものではありません。

私たちはしばしば、自分が本当にやりたいことを後回しにして、逃げようとします。本当にやりたいことをやって失敗したり、恥をかいたりするのが嫌だからです。しかし、そこから逃げているうちに、人生の月日は光のように過ぎていってしまうでしょう。

「本気になる」ということは、環境と自分との間に生じた、絶妙な駆け引きの結果です。つまり、多くの人が想像しているよりもずっと、「本気」というのは状況依存的なひとつの「状態」なのです。

ですから、単に「本気になるぞ!」というような意識づけによってコントロールすることはできません。環境と自分との間を整えて、「本気の時間」を大切に育み、確保していくことが必要です。具体的には部屋の片付け、道具磨き、勉強や学びの場所選び、スマホ依存の断ち方、友達の選び方、家族との距離の取り方といった多岐にわたった取り組みが求められることになるでしょう。

 

 

 

名越康文メールマガジン「生きるための対話

2015年4月6日 Vol.097
目次

00【イントロダクション】「本気」という無意識のゴンドラに乗るために
01【ピックアップ】意志よりもはるかに強い「場(環境)の力」
02【コラム】五月病の正体 「どうせ……」というくせものキーワード
03カウンセリングルーム
[Q1]鬱病の息子に親ができること
[Q2]体癖によって後悔や妄想の中身は違う?
[Q3]両親を仲直りさせたい
[Q4]何をやっても冴えない人はどうすればいい?
04精神科医の備忘録 Key of Life
・時間こそ妄想の本丸
05講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】

 

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【メルマガ】体癖論(性格分類)関係のバックナンバー一覧と購入方法について

2015年03月26日(木)01時44分16秒

以前まとめた体癖論(性格分類)関係のバックナンバー一覧を更新しました。

また、購入しやすいように、Vol.ナンバーを入れました。

 

名越康文のメールマガジン「生きるための対話」体癖論(性格分類)関係のバックナンバー一覧

 

・体癖論入門(Vol.013)

・9種体癖を知る 前編(Vol.014)

・9種体癖を知る 後編(Vol.015)

・10種分類表の見方(Vol.021)

・3種体癖(Vol.022)

・5種体癖(Vol.026)

・“陰の魅力”6種体癖(Vol.027)

・ビートルズで学ぶ体癖論(Vol.030)

・ “引き寄せ”の魅力、4種体癖(Vol.031)

・6種のしつけ/性格と体癖(Vol.032)

・ 4種の支配力(Vol.034)

・観念に生きる1種体癖(Vol.038)

・博愛と孤独の10種体癖(Vol.045)

・「敵」と書いて「友」と読ませる 男気の7種体癖(Vol.049)

・負けない戦と感謝の気持ち 8種体癖(Vol.050)

・2種体癖の「聞く力」(Vol.059)

・怒りの制御と体癖論(Vol.062)

・【Q&A】 6種の人生(Vol.064)

・【対談】類人猿分類の産みの親・岡崎和江さんに聞く『ゴリラの冷や汗』ができたわけ・第1回 ボノボにハゲはいない!?(Vol.083)

・【対談】類人猿分類の産みの親・岡崎和江さんに聞く『ゴリラの冷や汗』ができたわけ・第2回 人類は「混沌」を作ることで生き残って来たのかもしれない(Vol.084)

・天才はなぜチビなのか?(前編)(Vol.085)

・天才はなぜチビなのか?(後編)(Vol.086)

・【Q&A】6種の美学について(Vol.087)

・体癖の重要参考資料!? 甲野善紀先生の体癖を考える(Vol.092)

・3種体癖の世界をつかむ(Vol.095)

 

バックナンバーの購入方法について

定期購読中の方も、そうでない方も、バックナンバーは1号ごとに購入できるそうです(料金的には定期購読のほうが割安ですので、定期購読をお勧めしますが)。

以下、購読の手順をご案内します。

 

1.夜間飛行トップページ(yakan-hiko.com/)からログインし、名越康文のページを開く

 

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2.購入したいバックナンバー右のチェックボックスにチェックを入れて、「選択した号を購入する」をクリック

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3.希望の支払い方法(クレジットカード、携帯決済、ウェブマネーなど)を選択し、決済してください。

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※バックナンバー購入後は、誤って消去してしまった場合でも、何度でもダウンロード可能です。

 

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【メルマガ】「2週間1単位」で生活を整える

2015年03月18日(水)09時04分21秒

※メルマガVol.096(2015年3月16日)を発行しました!

 

 

仕事でも、趣味でも、長年続けていると「最近成長していないなあ」とか「同じところに留まってしまっているなあ」と感じることがあります。そういうとき、多くの人は自分の努力不足を反省します。「もっとがんばらなきゃなあ」というふうに。

でも、私のみるかぎり「がんばろう」という気持ちが不足することによって物事に取り組めなくなっているという人は、それほど多くはありません。たいていは、何か余計なことに時間を取られ、体力を消耗させ、その結果として、「がんばろう」という気持ちを完全燃焼させることができていないだけなのです。

ですから「前に進めていないなあ」と感じたときには、自分の努力不足に目を向けるのではなく、自分の生活習慣の中にある「ロス」「無駄」に目を向けましょう。

たとえば不必要な夜更かし、本質的ではないおしゃべり、消耗する長電話。人の世話もどこかやり過ぎているのは、自分が心のバランスを崩しているからです。そこから勇気を出してカットし始めると、案外自然に、その人の努力は正しい方向に向かい始めます。

では生活習慣の中にあるロスや無駄をどのように見極めれば良いのか。私の場合、生活習慣を「2週間1単位」で捉えるようにしています。1週間では少し短い。2週間ぐらいで捉えれば、自分がやりたいこと、行きたい場所、過ごしたい時間を概ね網羅できるはずです。そして、「それ以外の場所」に行かないように、「それ以外のこと」をルーチンから外していきましょう。

世界(見聞)は広く、生活は狭く、そして楽しく。

お気に入りのお店を見つけたら、2週間に1度は通いましょう。同じお店に定期的に通っていると、そこは実は、この世でもっとも変化に富んだ場所だということに気づきます。さまざまな場所に行くことが変化なのではありません。同じ場所に新鮮さを感じることこそが、変化なのです。

誰しも、生きるということにどこか明確に恐怖を覚えています。だからこそ、生活習慣を整え、身体の芯のところで明るさを手に入れておかないと、私たちは生きていくことすらできないのです。

 

生活習慣を整えること。これは実は「自分でやる」以外の方法がありません。孤独であることは、なんなら最大の強みなのだと心得ましょう。

 

 

名越康文メールマガジン「生きるための対話

2015年3月16日 Vol.096
目次

00【イントロダクション】「2週間1単位」で生活を整える

01【コラム】「笑いの心理学」試論

02精神科医の備忘録 Key of Life

・得意分野を封印する

03カウンセリングルーム

[Q1] 感情のアップダウンを静めたい

[Q2] 4年間があっという間に過ぎてしまいそうです

[Q3] 人に合わせることに気を遣い過ぎて疲れています

04読むこころカフェ(31)

・「このままでいいのか」という思いこそがチャンス

05講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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【メルマガ】21世紀に生きる日本人にとっての、最前線の戦い

2015年03月04日(水)08時16分31秒

※メルマガVol.095(2015年3月2日)を発行しました!

 

 

「これをやれば(読めば)こうなれますか?」

「こうなりたいと思うんだけど、どうしたらいいですか?」

 

いま、少なからず多くの人が、こういうタイプの思考に囚われているように思います。この、いわば<目的論的思考>こそが、私は多くの現代人から生きる気力を奪う悪癖だと考えています。

 

私たちは常に「今」を生きています。「今」というものを、目的を達成するための手段におとしめてしまう目的論的思考が、人から充実した生を奪ってしまう。それはちょっと考えてみれば言うまでもないぐらい、当然のことといえるでしょう。しかし、当の本人はその構造になかなか気づくことができません。目的論を妄信すればするほど、その人は「今」から目を背けるようになってしまいます。

 

この悪循環から抜け出して、次の段階へと歩みを進めるための方法は、実はシンプルです。それは、毎朝、決まった時間に起きること。そのための習慣を身につけるべく、節制に取りかかること、です。

 

あまりにも当たり前で、簡単な方法です。でも、これを実践する人は、本当にまれです。ほとんどの人は、まやかしの代替案に飛びつくことで、この当たり前の方法から目を背けようとします。

 

毎朝きちんと同じ時間に起きて、身体を動かし、間食はせずバランスよく食べて、よく眠る。たったこれだけのことで、確実に人生が明るい方向にシフトしていく。そう言われても「信じられない!」という人もいらっしゃるかもしれません。私が抱えている心の闇はそんなものじゃない、という方もおられるかもしれない。それくらいのことで変わるほど、人生は甘いものじゃない、という人もいるでしょう。

 

でも、私たち現代日本人の抱える心の問題というのは、そのほとんどが能力やエネルギーの不足というよりは、過剰なエネルギーを制御できないことによって引き起こされているものです。生活習慣を整え、過剰なエネルギーを制御して、「詰まり」をほぐして、適切な「流れ」を取り戻す。これこそが21世紀の日本に生きる我々にとっての、最前線の戦いなのです。

 

真の力を持つ者は、力を制御する方法を知っています。自分の力を信じられない者にかぎって、無闇に力を振るい、制御不能に陥ってしまう。生活習慣によって、エネルギーの過剰を制御するということ。そのことに目を向ける人が一人でも増えていくことが、大げさではなく、21世紀の日本の未来を変えていくと私は考えています。

 

名越康文メールマガジン「生きるための対話

2015年3月2日 Vol.095
目次

00【イントロダクション】21世紀に生きる日本人にとっての最前線の戦い

01【コラム】「相手の中に入る」という孤独な探求

02精神科医の備忘録 Key of Life

・ブラック・ジャックはやっぱりすごい

03カウンセリングルーム

[Q1]ゴリラとオランウータンの判別法は?

[Q2]人前に出るときは「別のキャラクター」を作ったほうがいい?

04塾通信(56)

・3種体癖の世界をつかむ

05講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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