古代史のススメ


心理学を学ぶときには、並行して古代史や、多神教を含めた宗教について学ぶことを、私はいつもお勧めしています。そうした人間についての包括的、歴史的な視点を踏まえておくことが、心理学のような「今、ここ」の実践にかかわる学問を学ぶ際には、ある種の「罠」に陥らないために必要なのです。

 

勉強好きで、従順な人ほど、ヒューマニスティックな仮面を被った合理主義の罠にはまりがちです。

 

日本の場合で言えば、7世紀までのいわゆる古代史を楽しむように、学んでみてください。そうじゃないと、日本人の深層心理はなかなか、捉えきれません。逆に言えば、今の私たちの人間理解や心理理解というのは、明治維新以降の、非常に限られた範囲の認識に縛られているのです。

 

まずは簡潔に、古代・中世・近代の政治・宗教・風俗と、その背景となった思想をたどってみてください。そして、ざっくりと、平安的日本、鎌倉的日本、室町的日本、江戸的日本、その上にいわば促成栽培的に乗っかった明治的日本……といった捉え方をしてみる。これは言葉にすればほんの数行でも良いのです。あ、なるほど基本が違うかも知れないんだよね、ということが自分なりに分かりさえすれば。

 

そこをつかめれば、短期的な視点に陥らずに人間理解を深めていくことができるでしょう。

 

 

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名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2017年4月16日 Vol.146
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今週の目次
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00【巻頭言】古代史のススメ
01【コラム】なぜ才能はガラスのように脆いのか やり抜く力と天賦の才の不思議な関係
02カウンセリングルーム
[Q1]転職を決めたとたん、いまの仕事に集中できなくなりました
[Q2]日本人に死生観はあるか?
03【読むこころカフェ】生命誕生以来、僕らは一度も死んでいない
04精神科医の備忘録 Key of Life
・「親切すること」自体を好きになる
05講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】

 

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