世界への親しみを取り戻そう


特定の価値を絶対視するような勝ち誇った態度が、いつの時代も最も古い(ダサい)考え方だと思う。たとえその対象が最先端であっても同じことだ。愚かさを改めることができるのは「自分は愚かである」という高性能な知力だけであり、その矛盾をこの世の摂理と認め、生きるしかない。
多くの人は、物事を自分で考えていると信じている。しかしおおよそそれは他人の口癖のようなものであり、書物で読み知ったことでさえない。世界や事象は多様性に満ちているが、言語は単線的である。つまり言説を批判することほど容易なものはない。だからこそ、非凡な批判はとても重要なのだ。
日常の多くは、自己の思い込みで構成されているということに思いを馳せ、世界への親しみを取り戻すことだけが、現実とのかけ橋になるだろう。