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名越康文メールマガジン「生きるための対話 dialogue」2014年10月6日 Vol.085を配信しました!ご購読はこちらからどうぞ!

 

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00 【巻頭コラム】「群れない」生き方と街の本屋

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「現代における男らしさとは何か」というテーマを雑誌『ブルータス』からいただき、反射的に「それは“群れないこと”ではないでしょうか」とお答えしました。群れると男はとたん勇気づきます。そして、これまで世界の歴史では何度となく、「群れたがる男」が時代を混迷に導いてきました。男は弱っちいのです。

 

では、「群れない」ために必要なことは何か。それは学問であり、文化なのです。

 

学問というのは突き詰めれば「道楽」です。追求したくて堪らないことを持っている人は、他人と競い合うことによって生じる「摩擦熱」が厭わしくてたまらなくなります。「群れない」というのは単に「孤高を気取る」といったスタイルをとることではなく、自分の純粋な興味と意欲とを守りたいという切実な欲求から必然的に生じるひとつの「生き方」なのです。

 

その意味で、学問や文化というのは、人間が持つ攻撃性を抑止する、最終兵器といっても良いでしょう。もし「平和」を達成する本質的な道があるとすれば、それは他者を説得するよりも、それぞれがそれぞれの追求心という集中力を人生において獲得することのうちにあるのではないか。そんなことを思います。

 

学問や文化を大切にすることは、倫理でも規範でもありません。「群れた」ときには有り余る暴力的なエネルギーが生じるという、人間性のダークな側面を正直に認めたうえで、「それをいかに制御するか」をドライに考えた場合に必然的に導きだされる方法論必須なのです。

 

最近、書籍の刊行数は増えているのに、街の本屋さんが減っていると聞きます。街の本屋さんがなくなる、ということがもたらすひとつの現実は、「自分が意図していない本との出会い」が減る、ということですよね。その結果として、本というものが「情報収集のアイテム」に堕してしまう、ということを危惧しています。(実際、その傾向はアリアリ出ていますよね)

 

人は、本によって内なる飛躍を遂げます。しかし、それは「自分が読みたい本」によってではありません。そうした飛躍は、中心よりも周辺において生じます。街の本屋がなくなることによって、「周辺的出会い」が減ることを危惧しています。

 

 

そんなわけで、今週のメルマガは実験企画「天才はなぜチビなのか?」の後編、岡崎さんとの類人猿対談最終回、塾通信は瞑想のことを少し詳しく述べています。カウンセリングルームは、久々にお休み。皆さんからの質問メールをお待ちしています。ラジオ番組でもそうですが、質問を送っておくとメルマガを届いたとき、「紹介されるかな?」というドキドキ感があっていいと思いますよ(笑)。

 

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今週の目次

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00 【巻頭コラム】「群れない」生き方と街の本屋

01 天才はなぜチビなのか?(後編)

02精神科医の備忘録 Key of Life

・ムーミンを読みふける秋

03カウンセリングルーム<今回はお休みです>

04 【対談】類人猿分類の産みの親・岡崎和江さんに聞く『ゴリラの冷や汗』ができたわけ

・第4回 役割として他のタイプを演じる

05 塾通信(53)瞑想は「本気」でやるから意味がある

06講座情報・メディア出演予定

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