ミュージシャンのケンカの強さ
音楽はケンカの強さと、どうも相関がある(笑)。
「音楽なんかする奴はチャラチャラしとる!!」と言われることもあるけれど、実際には音楽ができる輩には、ケンカが強い奴がけっこう多い。
ここでいう「ケンカ」とはもちろん、単細胞的な体力や攻撃性だけではない。それ以上の何かを含んだ「ケンカの強さ」というものがある(このあたりの機微は、ぜひミュージシャンに聞いてみたい)。
たぶん、「所属」や「従属」に対する本能的な拒絶が、ミュージシャンにはあるんだろうな。だから丸ごと生きてる「ヒリヒリ感」がいつもあるんだろう。
それが本質的な「ケンカの強さ」をもたらしている。
音楽は、音楽を奏でる者と、世界との、仲介者なしの抜き差しならない“直”のやり取りなんだな(もちろん、そういう熱さを感じ取れない音も当然あるが)。
ミュージシャンやダンサーやパーフォーマーを僕が愛でるのは、その抜き身のヤバさなんだと思う。それはけっしていきり立ったヤバさじゃない。静謐で完璧に統御された、それでいて圧倒的な攻撃性なのだ。