日記(ブログ)


精神科医の備忘録~key of Life。臨床、講演、テレビ、ラジオ……精神科医の東奔西走の日々。

人生には2つの「道」がある

2017年02月20日(月)12時31分01秒

人が生きる道は、突き詰めればたった2つしかありません。それは、爽やかに生きる道と、陰うつに生きる道です。これだけが、生き方において、人間が選べる選択肢なのです。

 

爽やかに生きることに憧れを持てた人は、自室にこもっているだけでは、それができにくいことを程なく知ることになります。一時間ほど散歩する、陽当たりのよい公園で深呼吸する、景色の良い顔の人物と会う、お寺や神社に詣でる、など爽やかに過ごす工夫が必要だということを知るのです。

 

積極性とは、瞬間瞬間、アクティブに心の面倒をみることなのです。

 


名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2017年2月20日 Vol.142
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今週の目次
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00【巻頭言】人生には2つの「道」がある/【ご案内】名越康文スライドトークvol.1(2017年3月18日)受付開始!
01【コラム】「コスパ優先」で人が不幸になる理由
02カウンセリングルーム
[Q1]怒りを払うと、ストレスがたまりませんか?
[Q2]不採用通知で心が折れてしまいました
03【コラム】シャドウについて 太陽と月は、同時に空に昇らない
04精神科医の備忘録 Key of Life
・パーソナリティとは楽器の音色のようなものである
05講座情報・メディア出演予定
【引用・転載規定】

 

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名越康文スライドトークvol.1(2017年3月18日)

2017年02月15日(水)11時11分06秒

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名越式性格分類ゼミ(通信講座版)の2周年と、名越康文メールマガジン「生きるための対話」の7周年を記念した感謝イベントを行います。

第一部は、スライドとともに、2017年を占うここだけのトークをお届けします。第二部は、豪華プレゼント付きの懇親会となります。(懇親会は別途会費が必要となります。詳細は下記をご覧ください)

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【メルマガ巻頭言より】揺るぎない信念は感覚に宿る

2017年02月06日(月)01時52分39秒

 

人は誰でも、いつでも「変わる」ことができます。これは一見、希望に満ちた現実ではありますが、変わるということは「忘れる」ということと表裏一体です。

 

これは社会でも同じで、時代が変わるときには、前の時代にあったものは、ことごとく忘れ去られます。

 

忘れることによって、人も、時代も新しく生まれ変わります。まるで出生とともに母親の胎内で起きたことのほとんどを忘れてしまうかのように。

 

そして、生まれ変わる前に積み上げられた教訓は、その百分の一も生かされることがありません。

 

もしもそれが虚しいと思われるなら、本当に伝えたいことだけを注意深く、残すことを試みるべきでしょう。亡くなった親の本棚から、ある日偶然発見される栞がわりのメモのように、大切なものは、ひっそりと潜ませておくべきです。

 

人は「あからさまなもの」を信じないし、心に留めることはありません。なぜなら、人は本質的に、刺激の奴隷だからです。「あからさまなもの」に対して人は本当の集注をすることはないのです。

 

ただ、肝心な部分を刺激から守り、自由にしておくことは可能です。その可能性こそが感覚の世界にあります。僕はそれこそが本当の意味での「信念」というものではないかと思っています。

 

信念というのは言葉や理念に凝り固まることではなく、自分だけに感じられる未来とのやわらかなアクセスを、いつも絶やさず、保ち続ける感覚的営為なのです。

 


名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2017年2月6日 Vol.141
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今週の目次
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00【巻頭コラム】揺るぎない信念は感覚に宿る

01【近況】目指すべきは「人をその気にさせる人」になること

02【コラム】なぜあの人は「上に立とう」とするのか

03カウンセリングルーム

[Q1]自分のことを嫌っている人との付き合い方

04【読者体験報告】「名越心理学を学んで、こんないいことがありました」

05精神科医の備忘録 Key of Life

・創造(クリエイティブ)の本質は「再発見すること」にある

06講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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2017年2月19日(日)13:30~16:00
アープカレッジすがも(JR・メトロ「巣鴨駅」徒歩2分)
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【メルマガ巻頭言より】ポスト真実の時代の感覚と多様性の心理学

2017年01月05日(木)09時41分14秒

7

■ご挨拶

 

みなさん、明けましておめでとうございます。

 

発行当初から読んでいただいてる皆さんとは、ずいぶん長いおつきあい(なんと7年目!)となりました。この間、僕の追求している心理学も、(表面的には)いろいろと姿を変えてきました。ただ、その骨格となる発想は、今もそれほど大きく変わっていません。

 

今回の号に掲載される論文(僕が最近、日本学術会議に寄せた論文を、事務局の許可をいただいて少し増補・修正したもの)には、自分の心理学についてのスタンスを簡潔にまとめたつもりですが、それをお読みいただければ、僕の心理学の目指す方向性をご理解いただけるのではないかと思います。ただ、論文はどうしてもやや硬い表現になってしまっていますので、ここではそれを少し、具体的に補足するようなお話をさせていただき、2017年の巻頭言にさせていただきたいと思います。

 

■post-truthの時代

 

昨年は、いろんなことがありました。なかでも、イギリスがEUから離脱し、アメリカではトランプ大統領が誕生したことは、世界中に衝撃を与えました。このメルマガのコラムでも書きましたが、従来の知識や理論、あるいは価値観ではなかなか読み解くことが難しい時代がやってきた、ということをひしひし感じますよね。

 

今、英語圏では、時代を表現する言葉として、「ポスト真実(post-truth)」という言い方が流行しているそうです。ポスト真実というのは「真実」が通用しなくなり、「嘘」が力を持つ時代になった、ということです。

 

なかなか、おもしろい表現だと思います。この言葉は使われだした当初、「事実ではない言葉であっても、民衆の感情に訴えれば支持を得てしまう」というニュアンスだったようです。トランプさんにしてもイギリスのEU離脱にしても、そうした「事実ではない言葉によって扇動された人々が引き起こした現象」だというわけですね。

 

確かに、そういう側面はあった。しかしその一方で、僕はこのpost-truthという言葉が僕らに突きつける問いかけは「では真実とは何なのか、誰が決めるのか」ということじゃないか、というふうにも思うんです。

 

トランプさんが事実に反したことを語っていたのは確かかもしれません。しかし、だからといって、敗れたヒラリーさんや、EU離脱に反対したイギリスの知識層が語っていることこそが「真実」であったといえるのか? トランプさんに投票した人は「真実」から目をそむけていたのか? こうした問いかけは、今や無視できないものになっています。

 

そして僕は、いま現実の世界で起きているのは、「大きな真実」が力を失い、たくさんの「小さな真実」が力を持ちつつあるという現実ではないかと思うのです。

 

 

■「人間はみんな同じだ」という信念の功罪

 

私たちはアメリカ人と日本人、あるいはロシア人と韓国人が「違う」ということを知っています。男と女では考え方が違うということも知っているし、私とあなたでは見ている世界が違う、ということも知っている。

 

にも関わらず、私たちは無意識のうちに「人間はみんな同じだ」と信じています。だからこそ「民主主義は正しい」し「人権は守られなければならない」と言う。ではなぜ、私たちはそれを「すべての人が信じる」と考えるようになったのか。それは僕の考えでは、近代になってからの「世界を科学的に見る」訓練の結果なのです。

 

人間の身体は、表面には見えない内臓や骨格に至るまで、基本的に誰もが同じです。DNAレベルで大きな個人差はないという「科学的な事実」こそが、私たちが「人権」や「平等」といった理念を信じる上で、大きな力を持っています。

 

逆に言えば、「世界を科学的に見る」という訓練、もっと言えば「洗脳」を経ない限り、「人権」や「平等」といった理念の正しさは、全くと言っていいほど自明ではないし、説得力を持たないのです。「差別は間違っている」と自信を持って言い切るためには、「人間はみんな同じだ」という、「人権に先立つ基底的な信念」が必要なのですね。

 

ところが、皮肉なことに、人権や平等といった理念を信奉した瞬間、私たちはそれを信奉しない人間や、それをないがしろにする人間を蔑み、攻撃するようになります。

 

異なる考え方や思想信条を認めることや、人種や国籍で人を差別しないこと。こうした理念自体は、おそらく「正しい考え」です。しかしながら、「人間はみんな同じである」という世界観を信じた瞬間、人間はどうしても「それを信じない他者」に対して攻撃的になってしまうのです。

 

本当に皮肉な話なのですが、人間が争い合うことをやめられないのは、「人間はみんな同じ」であり、「話せばわかりあえるはず」だと信じているからなのです。

 

 

■体癖論と浪曲的正義

 

「人間はみんな同じ」という信念を持っている限り、争いは終わらない。実は、僕が体癖論に基づく性格分類をライフワークにしている理由が、ここにあります。

 

(続きはメルマガ本文をご覧ください)

 

 


名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2017年1月22日 Vol.139
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今週の目次
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01【巻頭言】ポスト真実の時代の感覚と多様性の心理学

02【募集】読者体験報告募集「心理学を学んでいて、こんないいことがありました」

03カウンセリングルーム

・「意識レベルを上げる」とはどういうことですか?

04【論考】日本における心の時代の幕開け

05精神科医の備忘録 Key of Life

・いかに生きるか

06講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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2017年1月22日(日)13:30~16:00
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【メルマガ】VRの進化と感覚的身体の変容

2016年12月19日(月)03時11分18秒

先日、「シューイチ」という番組に出させていただいた時に、KAT-TUNの中丸雄一さんがレポーターになって「東京ゲームショー」の様子がレポートされていました。中丸さんは知る人ぞ知るゲーマーなのですが、その彼がやや仕事のレベルを超えて興奮して伝えておられたのが、VR(バーチャルリアリティ)の進化でした。

おそらく、2016年の末から来年にかけて、エンターテイメントの世界を中心にVRというものが僕らの生活空間に一気に流れ込んでくるのではないか、と予想しています。ゲームに関心がない人も、将来的にはホログラムでできたAI(人工知能)とコミュニケーションを取って生活をする未来がすぐそこまできているかもしれない。ロボットとの共生よりむしろ映像人格(ホログラムやバーチャルリアリティ)との共生の方が先なのではないか、とまで思いました。そう考えると、決して他人事ではないですよね。

もちろん、そんな未来なんていらない、という人も少なくないはずです。今の生活で十分だ、進化なんかいらないよ、と。

ただ、僕の考えでは、こういう「文化的革新」というのは、必ずしも「技術革新」だけで生じるものじゃないんです。僕ら自身の潜在的な心や身体の変化。そういうものがなければ、本当の意味でムーブメントにならない。だから、文化的革新が起きるのは、そのきっかけとなる技術革新からは10年、場合によっては数十年のタイムラグが必要なんです。

先日「ポケモンGO」で一気にブレイクしたAR(拡張現実)もそうですが、技術そのものは10年かそれ以上前からかなりのレベルに達していたものが、あるタイミングで雪崩を打ったかのように世界中に広がっていく。このタイムラグを作っているものこそが「身体感覚の変化」です。

変な例えですが、一回も山登りをしたことがない人は、山を観たとしてもその大きさとか、登ることの大変さとか、登りきった時の爽快感ということをイメージできないですよね。今や僕らはVRによる体験を、「なんとなく」イメージできるようになっているように思います。こういう身体感覚の変容が、文化的変容の条件となるんです。

技術革新だけではなく、「技術革新による身体感覚の変容」がもたらされない限り、文化的革新というのは起きない。技術革新というのは、いわば「地中のマグマ」のようにエネルギーを蓄えはするけれど、それが地表に火山として噴火していくには、僕らの身体感覚の変容が必要です。今回の東京ゲームショーのレポートを観ていて、僕はVRは「そのタイミング」が来たのではないか、と感じました。

「VRって、なんとなく楽しそう」という印象を持てる程度に、VRの技術と、私たちの身体感覚が共振しつつあることを感じる中丸くんの熱気あふれるレポートでした。

 


名越康文メールマガジン 生きるための対話(dialogue)

2016年12月19日 Vol.138
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今週の目次
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01【近況】VRの進化と感覚的身体の変容/読者体験報告募集「心理学を学んでいて、こんないいことがありました」

02【カウンセリングルームPick Up!】

・人生に意味なんてあるんでしょうか?

03【コラム】何をやっても達成感を感じられないのは危険サイン?

04【論考】人はいつでも生まれ変われる

05精神科医の備忘録 Key of Life

・人生の脇道に気づく

06講座情報・メディア出演予定

【引用・転載規定】

 

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【今週のおすすめ講座】

●第41回名越式性格分類ゼミ【残席4】
2017年1月22日(日)13:30~16:00
アープカレッジすがも(JR・メトロ「巣鴨駅」徒歩2分)
http://nakoshisemi.yakan-hiko.com/
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名越ゼミの熱い講義を自宅でDVD受講!
「名越式性格分類ゼミ(通信講座版)」はこちら
https://yakan-hiko.com/meeting/nakoshi.html

 

<<体癖論を学ぶなら>>

名越式性格分類ゼミ@巣鴨(月1開催のリアル講座)

http://nakoshisemi.yakan-hiko.com/

 

名越式性格分類ゼミ(通信講座版)

https://yakan-hiko.com/meeting/nakoshi.html

 

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