【メルマガ】21世紀に生きる日本人にとっての、最前線の戦い
※メルマガVol.095(2015年3月2日)を発行しました!
「これをやれば(読めば)こうなれますか?」
「こうなりたいと思うんだけど、どうしたらいいですか?」
いま、少なからず多くの人が、こういうタイプの思考に囚われているように思います。この、いわば<目的論的思考>こそが、私は多くの現代人から生きる気力を奪う悪癖だと考えています。
私たちは常に「今」を生きています。「今」というものを、目的を達成するための手段におとしめてしまう目的論的思考が、人から充実した生を奪ってしまう。それはちょっと考えてみれば言うまでもないぐらい、当然のことといえるでしょう。しかし、当の本人はその構造になかなか気づくことができません。目的論を妄信すればするほど、その人は「今」から目を背けるようになってしまいます。
この悪循環から抜け出して、次の段階へと歩みを進めるための方法は、実はシンプルです。それは、毎朝、決まった時間に起きること。そのための習慣を身につけるべく、節制に取りかかること、です。
あまりにも当たり前で、簡単な方法です。でも、これを実践する人は、本当にまれです。ほとんどの人は、まやかしの代替案に飛びつくことで、この当たり前の方法から目を背けようとします。
毎朝きちんと同じ時間に起きて、身体を動かし、間食はせずバランスよく食べて、よく眠る。たったこれだけのことで、確実に人生が明るい方向にシフトしていく。そう言われても「信じられない!」という人もいらっしゃるかもしれません。私が抱えている心の闇はそんなものじゃない、という方もおられるかもしれない。それくらいのことで変わるほど、人生は甘いものじゃない、という人もいるでしょう。
でも、私たち現代日本人の抱える心の問題というのは、そのほとんどが能力やエネルギーの不足というよりは、過剰なエネルギーを制御できないことによって引き起こされているものです。生活習慣を整え、過剰なエネルギーを制御して、「詰まり」をほぐして、適切な「流れ」を取り戻す。これこそが21世紀の日本に生きる我々にとっての、最前線の戦いなのです。
真の力を持つ者は、力を制御する方法を知っています。自分の力を信じられない者にかぎって、無闇に力を振るい、制御不能に陥ってしまう。生活習慣によって、エネルギーの過剰を制御するということ。そのことに目を向ける人が一人でも増えていくことが、大げさではなく、21世紀の日本の未来を変えていくと私は考えています。
名越康文メールマガジン「生きるための対話」
2015年3月2日 Vol.095
目次
00【イントロダクション】21世紀に生きる日本人にとっての最前線の戦い
01【コラム】「相手の中に入る」という孤独な探求
02精神科医の備忘録 Key of Life
・ブラック・ジャックはやっぱりすごい
03カウンセリングルーム
[Q1]ゴリラとオランウータンの判別法は?
[Q2]人前に出るときは「別のキャラクター」を作ったほうがいい?
04塾通信(56)
・3種体癖の世界をつかむ
05講座情報・メディア出演予定
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