「正しいこと」なら誰でも言える


 現実は原則で解釈するべきか、そうせざるべきかの弁別で成立している。裏を返せば、総合的判断が求められる現場に立たない人は、いくらでも「正しいこと」を言うことができるのだ。
うんざりすることかも知れないが、この時期、内政と外政をリンクさせ、チェスのように政治を俯瞰する論評でなければ語るにまったく足りない。
国内の、足下の課題に見えることであっても、それは広く世界情勢と同時並行している。そして、世界の課題はつまるところ領土・資産、つまりは「金」である。このことについて、まずは諦観とともに、できれば晴れやかに認知しなければならないだろう。
必要な事は、清濁合わせた現実を毒の大皿のように呑み込んだうえで頭一つを雲上に出し、地底深くより未来を変える胎動を起こすことだ。